スリランカ動向ニュース 過去掲載分 

  作成:清水 研(プロジェクト事業部チーフ、NPO法人『国際平和協力センター(IPAC)』 協力研究員)

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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 2006 1/16
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■■ 報道から ■■

■LTTEによるハルタールに続き、シンハラ・グループの扇動によるハルタールが行われているトリンコマレーでは生活物資の不足も出始めているなど、混乱が生じている。

■7日にはLTTEによるスリランカ海軍船舶への自爆攻撃で15名が死亡。事件を受けて、ラージャパクシャ大統領は東京会議議長国の在外代表らと会談。
 政府側はいつでもLTTEとの直接交渉を始める用意があるとすると共に、安全保障の必要性を強調した。
 議長国関係者側は、政府側が自制している点を評価したが、大統領は「政府は(LTTEによる)テロ行為を阻止するためにあらゆる手段を講じる用意がある」と述べ、LTTEの挑発行為には一定の抑止力の行使が必要なことを示唆した。

■政府報道官は12日、LTTEとの武力闘争回避に最大限努力するとのコメントを発表、政府側からLTTEを挑発する意志のないことを示す態度が重要である、とするとともに、23日から予定されているノルウェーのソルヘイム開発相のスリランカ訪問に期待していると述べた。

■しかし、その後もLTTEによる散発的な(テロ)攻撃が続いており、12日にはマナー県の地雷爆発で政府側兵士9名が死亡、またジャフナでは手榴弾攻撃によって複数名が負傷し、一般市民2名が何者かに射殺された。14日にはジャフナでの地雷攻撃によって2名の海兵隊員が死亡している等、連日のように事件が起こっている。

 また13日夜には、バティカロアの停戦監視団敷地内に手榴弾が投げ込まれ、3台の車両が損傷した。
 LTTEはタミルチェルバン政治局長名で本件に対する非難声明を発表し、事件への関与を間接的に否定した。


--------------------------解説--------------------------------

■停戦力学の変化
 LTTEの「挑発」的な軍事作戦が続いている。政府側が過去のように相応に応戦すれば地域的な武力紛争再開、場合によっては全面的な紛争再開という事態になる可能性は十分ある。
 しかし、ここまで政府側の自制心が働くとは、LTTEも、いやスリランカ国民も当初想定しなかったのではないか。

 しかし、これは単なる偶然ではなく、今次のスリランカの停戦、和平交渉が過去の停戦合意と「力学」を異にすることをあらわしている。
 過去の停戦合意、和平交渉との決定的な差としては、
1.和平交渉に、当事者としての政府とLTTEだけでなく、国際社会がウィットゥネスとして強くコミットしていること、
2.国民の強い戦争回避への意志があること、
 が挙げられる。
 特に政府側は与党勢力の回復、JVP等に依存しない大統領の求心力の確保が今後必要になっていることから、国内的にも引き続き和平に最大限コミットする姿勢を保たざるを得ない。新大統領誕生のタイミングとして、今は堪え忍ぶときでもある。

 ラージャパクシャ大統領は大統領選ではJVPと組んで不評を買い、その後もこれといった手立てのないままに対応しているものの、これまで見せている紛争回避への努力において、彼の評価も変わりつつある。

 LTTEが単純にフルスケールの軍事行動に出ない理由は、彼等もまた国際社会の文脈でしか生き残れないことを知っているからである。それは表面的なものではなく、先進国に移住したタミル人社会からの継続した精神的、資金的支援とそれを可能にする国際的な評価である。
 EUのテロ組織指定もできれば避けたいというのが本音であろう。

■ラージャパクシャ大統領、及びその取り巻きは大統領選挙運動期間中はノルウェーの和平交渉からの排除を訴え、その後もソルヘイム氏の関与を退けようとしたが、皮肉なことに現状ではノルウェーしか頼るものがいなくなった。

 23日に来訪予定のソルヘイム氏の来訪に、事態打開の期待が寄せられている。

 特にLTTE中枢部の本心が読めないだけに、ノルウェー側の希望するとおり、LTTE代表プラバカランとの会談が実現するかどうかが注目される。
 プラバカランと諸外国要人との会談には通訳、LTTE側助言者として必ず同席しているバーラシンハム政治顧問のスリランカ訪問の動きも一部では報じられており、会談そのものの可能性はある。

 ソルヘイム氏の真のミッションはLTTEの説得であるが、LTTE側に差し出すものが何もない現状では、大きな成果は期待出来ないと見て良いだろう。
 彼に出来ることは、直接交渉の「開催場所」に対する両者のこだわりを多少なりとも解くことであり、どのような選択肢を用意してくるかが注目される。

■大統領選挙後の昨年12月以降、LTTEの行動様式が変化した。彼等が目論んでいるのは、(1)政府側による停戦合意破棄、もしくは(2)和平交渉に対する政府側の態度の変化ー「連邦制是認、ISGA提案の受容」ーであろうか。後者はあくまでも建前に過ぎないとする見方もある。

■LTTEは「和平」を人質にとっている誘拐犯である。
 これまで政府と国際社会がLTTEの不条理な要求に応じてきたのは、人質の解放、即ち「和平実現によるスリランカの、あるいは北東部の正常化」を関係者が望んだからである。

 彼等の武力闘争は、タミル人を利用したLTTEのための闘いであり、連邦制で永遠に妥協するつもりは毛頭無いのであろう。
 スリランカ和平交渉というのは、このようなLTTEの虚構につき合って行くことに他ならない。

 ポーカーフェースでLTTEを政治の局面に連れ出すのが政府と国際社会の戦略であるが、その足並みも揃わない。

■紛争再開になった場合、いままで誘拐犯の要求するままに提供してきたもの、許していたものは「一時的」に全て裏目にでる。

 ドナーによって整備されたA9を活用して徴収している通行税、LTTE支配地域での徴税は海外での資金調達が困難になった組織に潤沢な収入を与えた。
 LTTEの公然性を認めるかのごとく要人が入れ替わり立ち替わりキリノッチを訪問、笑顔で迎えるプラバカランやタミルチェルバンと会談したことで、タミル海外移住者(ダイアスペラ)は改めてLTTEの正当性(タミル問題の解決)と正統性(スリランカ・タミルの代表者)を強く認識させられたことであろう。

 政府支配地域を自由に行動出来る状況を利用し、LTTE軍関係者がGPSを片手に全ての政府軍基地の動向を観察した可能性を指摘する声もある。
 海外からの武器調達を行う十分な時間も与えた。

 しかし、これは国際社会にとってはそれは織り込みずみであったはずで、長期的には決してムダなことではないはずである。

■政府、LTTE間の直接交渉の可能性はまだ残っている。
 この可能性がある限り両者には全面的武力紛争に突入する「言い訳」が無く、紛争再開はないとする見方が有力である。
 ただし、LTTE側は犯行への関与を否定しながら軍事(テロ)行為を繰り返しており、交渉実現が遅れた場合には何らかの次のレベルの動きがあり得る。

■政府、LTTEによる話し合いによる解決、ノルウェーや諸外国の努力に期待することはもちろんであるが、ドナーとしては、紛争となった場合のレベルに応じて、どのような関わりがあり得るか、そのシナリオを検討する段階に来たかもしれない。

■LTTEの攻撃はこれからも続くであろう
 LTTEが停戦状態を利用した動きに限定している限りにおいては、カルナ分派後の「東部での体制整備」が組織においての優先順位であるが、一旦、本格的な軍事行動が展開された場合には、タミル人のホームランド、ジャフナ奪回に向けたオペレーションが展開されるであろう。

 学生や一般人のデモを扇動するというインド平和維持軍対抗に用いた伝統的な手法も用いて、LTTEのオペレーションはすでに本格化しつつある。

■全面的紛争に備えて、LTTEがコロンボの経済施設を狙ったテロ活動を計画している可能性も否定出来ない。

 政府軍兵士数約15万人、LTTE兵士約1万6千人……。質的には最高レベルと言われるLTTE兵士だが、LTTEがゲリラ活動による軍事活動を可能にするには、政府軍を広域なモグラたたきに終始させる必要があり、コロンボ、東部でのテロ事件を引き起こし、一定程度の政府側戦力を分散させる従来の手法を取るであろう。

■まずは、23日からのソルヘイム氏の訪問と政府、LTTEの反応、その後の両者の「直接会談実現」に向けた動きを慎重に観察する必要がある。

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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 2006 1/4
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■■ 報道から ■■

■一部報道によると、ラージャパクシャ大統領は首席補佐官ら政府代表団のキリノッチ派遣を検討中で、早ければ今週中にも代表団の派遣を行いたいとしている。

 大統領選挙での公約であるLTTE代表と大統領のトップ会談につながるものかどうかは不明。

 LTTE側が受け入れれば、現状打開の突破口ともなり得るが、ダヤ・マスターLTTE広報官は、「現在のところ政府側からの公式な要請はなく、現状ではそのような政府とのハイレベルの直接会談実現の可能性は低い」ことを示唆した模様。

 ジャフナでは政府軍兵士が銃撃により負傷、ワウニアではLTTE政治局代表が地雷によって死亡するなど、新年に入ってからも双方に負傷者が出る事件が続いている。
(Daily Mirror他 1/4)

■2日、トリンコマレー市内で手榴弾の爆発により、学生4名が死亡した。
 LTTE側は政府側の犯行として抗議、4日、市内全域でのハルタール(=同国では「抗議のための地域一斉休業」)を強制した模様。
(各種報道 1/4)

■サマラウィーラ外務大臣は2日、ライス米国務長官らとの会談に向けて出国した。
 グナラトナ和平事務局長も同行し、米政府要人、通商関係者との協議を予定している。
(各種報道 1/3)

■ノルウェー政府は、JVP等との二者協議を行う用意があることを表明。
 ソルヘイム氏を「白い虎」と評するなど、ノルウェーに対する批判を続けているJVP関係者との意見交換の場を提案することで関係改善を行いたい考え。
 他のシンハラ、ムスリム、タミル政党との会談も計画している。

 ソルヘイム氏は今月23日から4日間のスリランカ訪問を予定している。
(DM 1/4)

■スリランカ警察は12月31日、コロンボのタミル人居住地区で大規模な捜索を実施、IDカードの提示がなかった920名を一時拘束、50名近くを引き続き拘置し、そのうち数名がLTTE工作要員であると発表した。
 軍の協力を得て行われたもので、麻薬取り締まりやLTTEの特殊工作員らの検挙が目的と見られる。
(各種報道)

■昨年末のラージャパクシャ大統領、サマラウィーラ外務大臣らのインド訪問において、インド政府は「連邦制実施による和平問題の解決」という選択肢について、その有効性、実効性を強調したと伝えられる。
 ス国政府へ専門家派遣も提案しており、インドの姿勢はスリランカ政府への圧力になる可能性がある。
(各種報道)

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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 12/28
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■■ 報道から ■■

■軍事的緊張が続くジャフナで27日、新たな地雷埋設攻撃によって政府軍兵士10名が死亡、4名が負傷した。政府側はLTTEによる攻撃と断定している。
(AP他 12/27)

■■■■ 解説 ■■■■

 ジャフナやバティカロア等、北東部の一部は、実質的な武力闘争状態となっている。
 現在のところ政府軍側の反応は、苛だった兵士による市民への暴力や、一部での発砲にとどまっているが、本格的に応戦すれば地域的な紛争再開になるであろう。
 政府軍側がどこまで踏みとどまれるのか、このままLTTE側の一方的な攻撃が続けば、応戦する口実を得るまでにはそれほど時間はかからないであろう。

■LTTEが狙っているものは何か。
 分析は容易ではないが、あれこれ思いつくまま挙げてみる。
・単なる紛争再開なら、いつでも、いままでも、始められたはず。
・挑発を繰り返すことで政府軍が暴力的になるのを狙っているのか。ストーリー作りという路線だが、世界各地でLTTEを資金的にも精神的にも支援しているタミル人海外移住者=Diasporaへの言い訳は武力衝突の前には必ず必要なステップである。
・しかし「タミル問題に一切理解を示さないシンハラ勢力に対抗する唯一の手段としての武力闘争」という古い筋書きを改めて使うには、時期が早すぎる。
 政府との直接交渉を経て、政府側の頑固な姿勢を広く晒してからのほうが効果的である。
・やればやるほど、ラージャパクシャ大統領との溝が広がる。直接交渉自体を実現不可能にすることが目的か。
・ギリギリまでやる姿勢を見せて、今後の交渉を有利に展開するつもりか。
・紛争のない状態になれきったLTTE兵士、北東部市民に対するプラバカランの権力の誇示か。効果は絶大である。

■以下の点は背景として認識出来る。

1.国際社会に受け入れがたい行動をとることで彼等の関与を一定程度排除するという方向性がある。
 LTTEはタミル問題を人権イッシューにし、国際社会を味方にしようと試みた時期があり、現在でもこの流れは踏襲しているものの、LTTE中枢部おそらくプラバカランの独裁、独断による無差別テロ事件等によって、国際社会からテロ組織としての指名を受け、タミル問題はLTTEによるテロ問題と化した。

 9・11事件を契機に路線を変更して今次和平交渉に至ったが、プラバカランはあらためて国際社会の関与をコントロールすることの難しさ、煩わしさを感じている。
 荒々しい面を見せることで、国際社会がそのメンツを失い、関心を失っていくことを目論んでいる。

 今回も当然LTTE政治局は軍事行動の意志決定には参加していない。
 これだけの軍事行動にはプラバカランが強く意図するところがあり、政治局は事が起こった後で対外的につじつま合わせをしているに過ぎない。政治局もプラバカランの意図をほとんど把握していない可能性もある。
 停戦監視団や東京会議議長国等のキリノッチ訪問は、政治局の苦労を増すことはあっても現在のプラバカランの動きに影響を与えることはないであろう。


2.皮肉なことにラージャパクシャというシ大統領はJVPとLTTEによって当選した。
 前者は今後政治的に封じ込めることが多少は可能でも、後者に利用されているという感は否定出来ない。なぜならLTTEに対する現政府の頑なな姿勢は、プラバカランが想定していた状態であり、大統領選挙のボイコットを強要したときからプラバカランが狙っていた事態である。

 ラージャパクシャは実質何もしていない。何も出来ないでいる。
 今後何をしても、それはプラバカランのシナリオに描かれている。
 そして、これはプラバカランが望んだ形である。
 このことが何を意味するのか、それを判断するにはもう少しLTTEの動きを観察する必要がある。


3.「北部は攪乱目的、狙いは東部」ではないか、というのは有力な仮説である。
 現在の勢力対抗図は、「カルナ派+政府軍」対「LTTE」という構図になっている。LTTEの政府軍に対する攻撃は「カルナ+政府軍」いや、「カルナ派」に対する攻撃だと見る向きもある。

 カルナ問題に対する対応には、LTTEにとって2つの意味がある。
 反逆者に対する絶対的な粛清という「掟」の履行とそれによるプラバカランの権力の誇示。プラバカランが個人的に最も執着するイシューである。反逆者の存在は、独裁者にとって優先的に対応しなければ気が済まない重大事である。

 そして過去にも腐心し、今後も課題になるであろう東部の軍事掌握における基盤作りである。東部では「まだらな」支配地域しか持たないLTTEにとって同地域は常に特別な注意を払ってきた場所である。カルナ少佐を失ってからは基本的な勢力の回復が課題となった。

 政府や政府軍はいまさら北部キリノッチやムラティブ奪回の可能性を追求することはないが、東部には強い執着がある。油断をすれば政府軍の支配が徐々に広がる可能性もある。
 ジャフナはLTTEによるゲリラ攻撃によって散発的に交戦があったとしても、政府軍が本気で応戦すればLTTEはその行動を大きく制限される。

 政府軍とLTTEの激戦があるとすれば、東部であろうが、現在の状態で政府軍の大攻撃があれば東部の支配地域の大部分を失う結果にもなりかねない。
 LTTEとしてはジャフナ地域に一定の政府軍勢力を引きつけておきながら、本丸である東部での勢力回復、そして出来るだけ早くカルナ派勢力の撲滅を併せて実現させたいところだ。
 これはあくまでも仮説である。

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■ラージャパクシャ大統領のインド訪問とインド政府の和平問題への関与
 地域の安全保障という観点から言えば、アフガニスタンやイラクで米国の果たした役割をインドが演じなければならないことになるが、インドには80年代にIPKFを送り込んで痛手を蒙った苦い経験があり、スリランカ問題への関与について、もう国民の支持が得られないという背景がある。(IPKFの派遣は当時のラジブ・ガンジー大統領の汚職疑惑に対する注目をそらすという目的もあったと言われており、国家としてそれほど興味をそそる問題ではないという見方もある)
 タミルナドゥ州政府選挙を来年3月に控え、下手な動きは出来ないという事情もある。

 インド訪問中のラージャパクシャ大統領の隠されたアジェンダである「日本、EU等の共同議長国グループへのインド政府の参加」「インド政府の和平プロセスへの直接的な関与」という要請は、インド政府にとっては受け入れがたく、引き続きアリバイ的な関与にとどまるであろう。

■スリランカ政府はノルウェーの和平プロセス推進役を要請したものの、ソルヘイム開発相の和平プロセスへの関与を排除する動きを見せている。
 サマラウィーラ外務大臣はソルヘイム氏の排除をノルウェー外務大臣に要請したと言われ、ラージャパクシャ大統領もソルヘイム氏から要望のあったインド訪問中の会談要請を拒否したと伝えられている。
 ソルヘイム氏のLTTE寄りの姿勢に対する政府側の不信感を背景に、新大統領として新たな個人的なパートナーを探すという意図があろう。

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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 12/26
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■■ 報道から ■■

■東京会議共同議長国である日本、ノルウェー、EU、米国の大使等関係者は24日、キリノッチでタミルチェルバンLTTE政治局長と会談し、現在の治安状況について議長国側の懸念を伝えると共に意見交換した。

 また、ウクラマナヤカ首相は共同議長国関係者らとの会談で、停戦合意に関する話し合いがLTTE側の会議開催場所に関する要求によって開催の見通しが立たないことについて「会議開催の日程が決定出来ない現状では停戦合意が存在するという事実を受け入れられない」とする考えを示した。
(HT他 12/24)


■タミル政党TNAのパララジャシンハム国会議員(バティカロア選挙区)が25日、バティカロアの教会でのクリスマス行事の最中に何者かに銃撃され暗殺された。

 政府、メディアはLTTEによる犯行としているが、LTTEは政府軍、カルナ派、反LTTEタミル政党のEPDPによる策略だとしている。
(タミルネット他 12/25)


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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 12/24
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■■ 報道から ■■

■23日、マナー県の(マナー島先端にある海軍基地近くの)ペサライ地域で地雷による爆発があり、政府軍海兵隊員十数名が死亡、複数が重軽傷を負った。
 政府、停戦監視団はLTTEによる犯行と断定。

 軍事的な衝突の緊張感の高まりを受けて、日本、EU、ノルウェー、米関係者は24日にもキリノッチを訪問し、LTTE政治局との緊急会談を行い、挑発的な武力行為の中止を申し入れる予定。
 LTTEは昨日の事件について、一切の関与を否定している。

 これらLTTEによると見られる一連の事件で、今月に入ってから33名の政府関係者らの死者を出している。

(各種報道 12/24)

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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 12/21
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■■ 報道から ■■

■ラージャパクシャ大統領は20日行われたJVP幹部との会談において、LTTEとの直接交渉の場としてLTTEが要求している「ノルウェーでの開催」という選択肢は受け入れない方向であることを示唆した。
(各種報道 12/21)

■東京会議の共同議長国である日本、米、EU、ノルウェー各国は19日、ブリュッセルでの会議を終え共同声明を発表。
 声明では、LTTEによる北東部地域での武力攻撃について「重大な結果を招く」と強く警告した。

 また、大統領選挙のボイコット指示についてもタミル人の権利を侵害するものだとして非難した他、政府の反LTTE武力集団との関係についても触れ、改善を促した。

 共同声明は具体的に触れなかったものの、北東部では連続して武力事件が起きている。
 イタリアの副外務大臣が搭乗する予定だったヘリコプターがLTTEによって襲撃される事件もあったことから、EU(伊はEU加盟国)などは過敏に反応したものと思われる。
 ジャフナでは学生の抗議行動に対する政府軍の威嚇発砲があった他、東部では民衆レベルの衝突が引き続き起こっている。
(HT他 12/20)

■一部報道によると、津波復興事業の監督機関であるAuthority for Reconstruction and Development (ARD)の初会合が先週開催され、実動体制に移行する模様。ARDは既存のTAFREN、TAFOR、TAFLOLを統合あるいはその監督下に置き、Tiran Alles局長が任に当たる。
(12/19)

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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 12/18
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■■■■ 報道から ■■■■

■スリランカ政府は16日、「停戦合意の実態等に関するLTTEとの直接交渉はスリランカ国内で行われるべき」とする過去の条件を撤回し、「アジアのどこかで行われることに合意」することで、実質上明石政府特別代表が提案した日本での開催をLTTE側に示唆した。

 これに対しLTTE側は17日、交渉場所については以前から機会の提供を申し出ているノルウェーとすべきとする反応を示し、日本での開催を拒否した。


■■■■ 解説 ■■■■

 ノルウェーはLTTE寄りであると批判する勢力に配慮するためにも、日本での会談開催が有利と判断したスリランカ政府だが、ここでLTTE側に妥協するのか、別の開催地を主張するのか、新大統領の交渉態度が注目される。

 2003年、東京会議という国際舞台でLTTEの連邦制への実質的なコミットメントを取り付けようとした日本政府に対して、LTTEの警戒感が存在することも事実である。

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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 12/12
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■明石政府特別代表は11日、スリランカ訪問を終え帰国の途に着いた。
 新政府首脳との一連の会談では、停戦合意をめぐる政府、LTTE間の交渉の場として日本を提案した。
(BBC 12/11)


.■ラージャパクシャ大統領は7日、日、米、EU、ノルウェー代表と面談し、ノルウェー政府に和平交渉仲介継続を要請すると共に、今後の和平プロセスの動きについて各国代表と協議した。
 大統領選挙後、ノルウェーは「双方からの要望に基づいて和平交渉仲介を続ける用意がある」ことを表明していた。9日にはノルウェー大使がキリノッチを訪問し、タミルチェルバンLTTE政治局長と面談した。

 ラージャパクシャ大統領は大統領選挙活動中、和平交渉からのノルウェーの排除も示唆し、就任後の所信表明演説でもノルウェーの和平仲介について一切言及しなかった。
(各種報道 12/9)


■野党で対LTTE強硬派のJVP、JHUは、ラージャパクシャ大統領がノルウェー政府に和平交渉関与を依頼したことに反対したものの、大統領への政治的な支持という方向は維持する考えであることを示した。
(AFP 12/8)


■一方、ノルウェーのソルヘイム開発大臣は、スリランカの和平交渉仲介の要請を受け入れるに当たり、新たな条件を政府、LTTE側に提示する考えがあることをメディアを通じてほのめかした。
 双方への事前通告がなかったことから、一部では波紋が広がっている。
(各種報道 12/9)


■■ 解説 ■■ ■■ ■■ ■■ ■■ ■■ ■■

■ノルウェーの和平交渉仲介再開に関する条件の提示は、双方からのコミットメントを微妙なタイミングで取り付けようとする戦略であり、今後物議を醸す可能性はあるものの、多少なりとも実効的な交渉に結びつけるためには有効な手段である。

 ラージャパクシャ大統領はJVP 、JHUの反発を承知でノルウェー政府に和平交渉仲介役の継続を依頼した。JVP 、JHUとの事前の協議も行っていないことに注目したい。
 政治手腕の未熟さ、JVP、JHUという「悪友」との関係が懸念されていた同大統領だが、国家元首として現実に直面することで、政治家としてのバランス感覚も取り戻しつつあるように見える。

■東部地域では、タミル、ムスリム間の衝突が続いている。
 発端は、大統領選挙直後のモスクへの手榴弾攻撃によってムスリム7名が死亡した事件であるが、コミュニティ間の信頼関係が崩壊し、民衆同士の暴力事件が頻発していることに停戦監視団も警告を促している。
 津波復興支援に関わる援助団体の車両も暴徒に襲撃され、一部では死傷者も出ている等、津波復興支援への影響もある。

 新政府とLTTEとの和平交渉再開の望みが見えないこと、ジャフナでLTTEによる攻撃で多くの政府軍兵士が殺害されていること等、「紛争再発」に対する恐怖感が下地となっているという見方もあるが、ビジネス上の利権や土地問題も微妙に絡んでいる。
 政府軍の高度警戒地域(HSZ)からの撤退を求める民衆の動きもあるが、これらはLTTEによる扇動によるものと見られる。
 7日にはLTTEによるとみられる手榴弾攻撃で警察、兵士等8人が重軽傷を負う事件が起こっている。

 このように多様な対立関係が入り乱れているのが現在の東部の現状である。


■明石政府特別代表は、今回の訪問でLTTE関係者との会談を行わなかった。
 カディルガマル外相暗殺がLTTEによる犯行とするス国政府の立場を尊重したものであろう。
 今後、他ドナーの関係者にもLTTEとの接触にプロトコール上の変化が見られる可能性もある。


■政府は先週、改訂来年度予算案を国会に提出した。給与取得者や企業への増税による増収を見込み、農民らへの手厚い支援を用意するとともに、年8%の成長率を見込んでいる。(2005年見込みは5.4%)

 予算総額は1970億ルピー(約2000億円)だが、軍事費も増大し、約23%、700億円が支出される予定である。

 ラージャパクシャ大統領は、これらに対する世論の反応やJVPらの動きも見ながら、総選挙のタイミングを見計らっているようにも見える。


■スリランカ和平プロセスは新たな平面を現しつつある。
 政府、LTTEに共通のアジェンダが存在しない現状においてさえ、紛争再開によって和平交渉が崩壊する危険性がそれほど高くない状態が続いている。
 かつては存在しなかったこの平面で、当面の和平プロセスは推移するのではないか。

 LTTEによる「テロ行為」は続いているが、LTTEが全面的な「武力紛争」に移行する可能性は低いと見られている。
 今のLTTEにとって「武力紛争再開」は、その危機感を煽ることで交渉を有利に導くためのカードに過ぎず、「武力紛争再開」が自治獲得の直接的手段ではなくなりつつある。

 そういった状況の中で(多くの制約があるものの)、市民の生活には継続した一定の「経済活動」が根付きつつある。東部での動きの一部には、そうした民衆のパワーがうねりとして存在していることも見逃せない。
 それは長期的にはLTTEの影響力排除にもつながる可能性を秘めており、政府とLTTEに翻弄されてきた北東部の人々が自らの望む社会を作り上げるための土壌が生まれようとしていると見ることも出来る。
 しかしこの混沌が何かを生み出すには、長い時間が必要とされるだろう。


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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 12/7
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■7日の現地報道によると、野党UNPのG.L.ピーリス氏はマヒンダ・ラージャパクシャ大統領の要請を受けて、LTTEとの和平交渉に参加することに合意した。

 UNP党からの離脱を意味するものか、大統領の提唱する「大連合による和平交渉」という流れに沿うものかは不明。

 同氏は、2001年にSLFPを離脱、UNPに鞍替えし、同年の総選挙でUNPが圧勝した後、2002年からの和平交渉では政府側代表としてLTTEとの交渉に当たった。
(現地報道 12/7)

■ラージャパクシャ大統領は先週以来動きを活発化させている。
 停戦合意見直しの必要の再確認、新規予算の編成、軍トップの交代、津波復興支援体制のP-TOMSにかわる組織としてのReconstruction and Development Agency (RDA) 構想の発表と、次第に独自色を示しだした。(各種報道)

■先週末以来、2つの地雷埋設攻撃で8名の政府軍兵士が死亡するなど、LTTEによると見られる攻撃で政府軍兵士、一般人等20名以上が被害に遭っている。政府軍側は北東部で警戒態勢を敷いている。
(各種報道)

■ロンドンのバーラシンハムLTTE政治顧問は、LTTEプラバカラン代表がヒーローズ・デイ・スピーチで年内を和平交渉推進の最後通告期間としたとされていることについて、「LTTE代表は具体的な期限を示したわけではない。しかしそう長く寛容的ではいられない」と述べた。
(AT 12/7)

■明石政府特別代表は、7日から11日の予定でスリランカを訪問、主に新政権との情報交換を行う。
(タミルネット 12/6)

■■ 解説 ■■ ■■ ■■ ■■ ■■ ■■ ■■

■ラージャパクシャ大統領は、選挙期間中から一貫して「中央集権体制における統一国家が和平交渉の前提である」としており、LTTEの主張とは相容れない姿勢を示している。

LTTE側の具体的要求はすでに明らかで、
1.大いなる自治権が付与された連邦制が妥協出来るラインであり、現行憲法は必要に応じて改正、あるいは無視される必要があること、
2.それまでの一定期間においては、暫定的な自治政府としてのISGA体制を求めること、
3.同時に、ジャフナ地域の高度警戒地域(HSZ)からの速やかなる政府軍の撤退も必要であること、
4.要求が受け入れられないのであれば、分離独立のための闘争を再開する
 というものである。

 LTTE側は和平交渉再開に向けた準備段階でこれらの内容を改めて投げかけてくるであろう。
 それに対する政府側の戦略は現在のところ明らかではない。

■東部では、援助団体に所属するタミル人運転手が殺害されるなど、タミル、ムスリム市民の衝突による緊張が高まっている。


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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 11/28
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■■ 解説 ■■ ■■ ■■ ■■ ■■ ■■ ■■

■LTTE代表のプラバカランは27日、好例のヒーローズデイ・スピーチを行い、冒頭でシンハラ政権に強い非難を加えたものの、全体的にやや穏やかなメッセージに終始した。

 この中でプラバカランは「新しい政局の和平プロセスへの動きを見守る」とし、「受け入れ可能な政治的な枠組み」を示すよう求めた。
 また、政府側がLTTEの要求を拒否した場合には、(来年)民族自決への闘争を「強化する」と述べた。

 非妥協的な態度をことさら強調する内容も見あたらず、「ラージャパクシャ大統領とタミル問題との間のギャップは大きいが、現実的な大統領のプラグマティックな提案に期待する」として、まずは大統領側が方向性を示すように求めた。


■ラージャパクシャ大統領は25日に国会で行われた所信表明の中で、「停戦合意の見直し」を第一の優先課題として取り上げた。
 また、野党UNPやムスリム政党など含めた和平交渉のあり方を示しつつも、LTTEによる領土占有は受け入れられないなどし、厳しい条件で和平交渉に臨む姿勢を見せた。

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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 11/24
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■■ 解説 ■■ ■■ ■■ ■■ ■■ ■■ ■■

■ラージャパクシャ大統領は新内閣を発表。10省ほどが削減され、25省となった。(文末に閣僚リスト)

 アヌラ・バンダラナヤカ氏は観光省大臣となった。SLFP党首のクマラトゥンガ氏からの外相指名要請も拒否した形で、バンダラナヤカ家の影響力排除を狙う新大統領の意図が明かである。

Dr. Sarath Amunugama等、クマラトゥンガ氏の側近も主要中枢ポストから外されている

 北東部復興開発を管轄していた「RRR省」の扱いについては現時点では情報がない。「Minister of Re-settlement」がリストにあるのみである。


■JVPは当初同党のマンガラ・サマラウィーラ氏の首相就任を求めたが、大統領はSLFPのラトナシリ・ウィクラナヤケ氏を指名した経緯がある。

 大臣ポストを拒否したJVPは今後の政権への影響力を重視し、当面野党にとどまることとなった。議会で過半数を割るSLFPをリモートコントロールする狙いがある。


■上記の事態を改善するために、ラージャパクシャ大統領が近い将来、総選挙に踏み切る可能性は十分ある。
 暫定的な布陣でJVP等の出方を見つつ、SLFP党内の不和解消、勢力巻き返しを図る必要がある。


■タカ派の首相が就任したことで停戦合意の見直しは必至である。
LTTEとの関係が悪化し、武力紛争再開という懸念もあるが、現在の国際社会の関心の強さから、全面的な武力闘争再開はあり得ないと思われる。


■25日に開かれる国会で、新大統領の施政方針演説が行われる予定である。
 新大統領が方針を示すべき事項がいくつかある。

 LTTEとの和平交渉の道筋。
 直後(27日)に予定されるLTTEのヒーローズデイ・スピーチで批判される可能性があり、慎重な言い回しを選択する可能性が高い。

 ノルウェーの和平交渉への関与についてはこれまで特に触れていないが、社会経済的な外とのつながりを無視出来る立場にはなく、ある程度の関与を認めざるを得ないであろう。

 雇用創出、物価安定という経済政策についての具体策が示され、経済界からの不信を払拭することが出来るか。


■大統領選に惜敗したUNPでは、当面の国会運営等でラニル氏のリーダーシップを期待しつつも、次期総選挙勝利、次期大統領候補の確保に向け、ポスト・ラニル人事が検討されるであろう。
 副代表であるカル・ジャヤスーリヤ氏の権力増大に各勢力がどう動くかが注目される。


■和平交渉は、大統領選挙を経ても推進力を失ったままである。
 2003年に示された連邦制による最終合意というゴールは既に霧消しており、合意形成に至る問題と可能性を整理し直す必要がある。
 現実的には、政治的な平面での和平交渉は、現在の位置にとどまらざるを得ないだろう。


■大統領選挙は、ラージャパクシャ氏50.29%、ウィクラマシンハ氏48.43%という僅差で勝敗が決した。過半数を僅かに上回った勝利という事実は、新大統領に一定の行動の制限を与えるだろう。


■11月10日の時点でLTTEは投票ボイコットの意思を表明し、多くのタミル人がそれに従った。改めてLTTE代表プラバカランの影響力の強さを知ることが出来る。

 主要二大候補の最終得票数の差は18万票。
 ジャフナ選挙区では有権者約70万人のうち、投票したのはわずか8,524人(1.21%)。同地区でUNP候補者は7割の支持を得ており、投票が行われていればUNP候補者の勝利という結果が十分あり得た。
 地域別に見るとムラティブでは有権者数約6万6千人名のうち、投票者は902名、キリノッチでは有権者数89,454人のうち1名のみが投票。同氏にはLTTEの制裁が及んだという噂もある。

-----------------------【新閣僚リスト】--------------------------

■The Cabinet of Ministers is as follows:
His Excellency President Mahinda Rajapaksa - Defence and Finance
Hon. Prime Minister Ratnasiri Wickramanayake - Disaster Management
Hon. Mangala Samaraweera - Foreign Affairs, Ports and Aviation
Hon. Anura Bandaranaike - Tourism
Hon. DM Jayarathna - Post, Telecommunications and Rural Economy Development
Hon. Nimal Siripala de Silva - Health
Hon. Amarasiri Dodangoda - Justice
Hon. AHM Fowzie - Transport, Railway, Petroleum Resources
Hon. Jeyaraj Fernandopulle - Trade, Commerce, Consumer Affairs, Highways
Hon. Maithripala Sirisena - Agriculture, Irrigation, Mahaweli
Hon. John Senevirathna - Power and Energy
Hon. Sumeda Jayasena - Child Affairs and Women
Hon. Anura Priyadharsana - Information and Media
Hon. Dinesh Gunawardena - Urban Development and Water Supply
Hon. Douglas Devananda - Social Services
Hon. Sarath Amunugama - Public Administration
Hon. Ferial Ashroff - Housing and Construction
Hon. Susil Premajayantha - Education
Hon. Athauda Senevirathne - Labor Relations and Foreign Employment
Hon. SB Navinna - Rural Industry and Self Employment
Hon. Piyasena Gamage - Vocational Training and Technical Skills
Hon. Janaka Bandara - Provincial Council
Hon. ALM Athaullah - Fisheries and Housing Development
Hon. Rohitha Bogollagama - Investment Promotion
Hon. Tissa Witharana - Science and Technology
Hon. DEW Gunasekara - Constitutional Affairs and National Integration.

■Non Cabinet Ministers:
Hon. Milroy Fernando - Minister of Plantation Industries
Hon. Jeevan Kumaratunga - Minister of Sports and Youth Affairs
Hon. (Mrs.) Pavithra Wanniarachchi - Minister of Samurdhi and Poverty Alleviation
Hon. Tissa Karalliyadde - Minister of Indigenous Medicine
Hon. Felix Perera - Minister of Fisheries and Aquatic Resources
Hon. C B Ratnayake - Minister of Estate Infrastructure and Livestock Development
Hon. Salinda Dissanayake - Minister of Coconut Development
Hon. Mahinda Yapa Abeywardena - Minister of Cultural and National Heritage
Hon. (Prof.) Wishwa Warnapala - Minister of Parliamentary affairs
Hon. Abdul Majeed - Minister of Co-operatives and Co-operative Development
Hon. Abdul Risath Bathiyutheen - Minister of Re-settlement
Hon. Ameera Ali Shihabdeen - Minister of Disaster Relief Services
Hon. Chandrasiri Gajadeera - Minister of Home Affairs
Hon. Chamal Rajapakse - Minister of Agricultural Development
Hon. Kumara Welgama - Minister of Industrial Development
Hon. T B Ekanayake - Minister of Road Development
Hon. Rohitha Abeygunawardena - Minister of Foreign Empowerment Promotion
Hon. Anver Ismail - Minister of Irrigation
Hon. S M Chandrasena - Minister of Agrarian Services and Development of Farmer Communities
Hon. Bandula Basnayake - Minister of Promotion of Botanical & Zoological Gardens
Hon. Gunaratne Weerakoon - Minister of Regional Development
Hon. Sripathi Suriyaarachchi - Minister of Skills and Employment Promotion
Hon. Mahinda Amaraweera - Minister of New Railroad Development

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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 11/7 大統領選挙 Part 10
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■■ 解説 ■■ ■■ ■■ ■■ ■■ ■■ ■■

■大統領選挙活動が終盤を迎えているが、今後投票日までに注目すべき動きが2つある。

1.15日に予定されているクマラトゥンガ大統領のテレビ最終演説
 自身の後継者について、和平のあり方について、なんらかの言及があると思われる。
 ラージャパクシャ首相への信頼を示すのか、ラージャパクシャに批判的な内容を含み、自身の和平の方向性を改めて確認することで間接的にウィクラマシンハ氏支持というメッセージを伝えるのか。
 政治的には影響力が弱まっているものの、地方市民の支持は一定程度ある大統領だけに、浮動票の行方を左右する内容となる。

・現在、ラニル寄りと伝えられる同大統領だが、ラージャパクシャ氏との密約という「どんでん返し」もあり得る。
 密約の内容としては、アヌラ氏首相就任、クマラトゥンガ氏議員指名(故カディルガマル外相の比例ポストを利用)、当選後のJVPの影響力排除、SLFP党首としての長期君臨確約……等があり得よう。

 クマラトゥンガ大統領、ラージャパクシャ首相らは、最終段階の票読みで、あらゆるオプションを検討する。
 投票間際で政局に動きが出る可能性も否定出来ない。


2.10日に招集されるキリノッチでのTNA議員とLTTE政治局の会合
 この場で、二大候補者のどちらを支持すべきかというLTTEの最終判断が伝えられる可能性が高い。

・「ラージャパクシャ大統領」の6年は、LTTEにとって安楽な時代になるであろう。
 シンハラ主義を非難し、タミル人擁護というポーズをとりつつ、現在のような暗殺、戦力増強活動、兵士の緊張感保持が行える。
 しかし同時に政府とのパイプが一切途絶えると、これまでのような「脅し」も聞かないわけで、戦略上リスクも大きい。

 すでに一部で投票ボイコットの指示が出ているとの噂があるが、このような動きが本格的に見られればラージャパクシャ時代をLTTEが望んでいると読める。

・一方「ウィクラマシンハ大統領」が誕生しても、憲法改正が可能にならない限り(P-TOMSレベルでさえ実現しないことが明らかになっている現状では)LTTEの政治的な主張はなんら受け入れられないことは自明で、タミル問題の解決(LTTEが本当に求めているかどうかは別として)は期待出来ない。
 ウィクラマシンハ氏との蜜月時代には彼を「御し易し」と見たLTTEだが、今回は、ウィクラマシンハ氏側もそうそう甘い顔は出来ない状況だ。LTTEは国際社会からも民主主義の剣を突きつけられ、不愉快な思いも覚悟しなければならない。
 とは言っても、LTTEとの良好な関係にこだわるウィクラマシンハ氏の登場というシナリオは、LTTEに柔軟な戦略選択を許すことから、こちらを選ぶ可能性も高い。


■■ ■■ ■■ ■■ ■■ 一般の受信者の方へ 【お詫び】  ■■ ■■ ■■ ■■ ■■

 担当の都合により、本「動向ニュース」の配信を本日より2週間停止します。
 よって、17日の大統領選挙の結果についてもリアルタイムでの情報提供が行えません。
 選挙結果については以下を参考にして下さい。


■スリランカ選挙管理局Website Department of Elections
http://www.slelections.gov.lk/index.html

 ↓ その他報道機関等の特設サイト ↓

■詳細結果を知る
http://www.lankanewspapers.com/news/election_2005.jsp

■全体を把握する(ページ上部のメニューから)
http://www.srilankanelections.com/index.php

■二大候補者の略歴を知る
http://www.srilankanelections.com/PreCanProfileMR.php
http://www.srilankanelections.com/PreCanProfileRW.php

■二大候補者のマニフェストロを読む
http://www.srilankanelections.com/manifestos.php

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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 11/2 大統領選挙 Part 9 他
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■元JHU党幹部で国会議員のVen. Udewe Dammaloka僧(国会議員)は10月28日、野党大統領候補のラニル氏への支持を表明した。
 一部ではラニル氏側は大臣ポストを確約したとも伝えられている。

 JHUの中でも票の稼ぎ頭であった同僧のラニル支持表明で、ラージャパクシャ候補の票の切り崩しが加速されたとみる向きもある。
(SL Time 10/28)

■南部州議会議長のラジット・ラージャパクシャ氏は1日、野党大統領候補のラニル氏への支持を表明。
 先の州選挙で多くの票を得た同氏の動きはハンバントータ等、南部での選挙戦に影響を与えるとみられる。
 同氏はSLFPの青年部の副部長でもある。
(各種報道 11/1)

■10/30、政府軍高級諜報部員が何物かによって銃殺され、LTTEの関与が疑われている。
(各種報道 10/30)


■■ 解説 ■■ ■■ ■■ ■■ ■■ ■■ ■■
 
 選挙、特にスリランカの選挙動向を予測するのは我々には困難が伴うが、以下に現時点で予想される選挙結果と直後の政局の動きを描いてみる。


【ケース1】 接戦の末、ラージャパクシャ首相が勝利

 SLFP党内での勢力巻き返しを図り、SLFP、JVP、JHUの連合体制で新たな国政運営を開始。
 選挙期間中の非協力的な姿勢を理由にアヌラ氏の首相就任はならず、JVPから首相が選ばれ、バンダラナヤカ家の影響力排除が行われる。

 大臣、行政官の大幅な交代や、場合によっては大胆な省庁改編が行われ、P-TOMSに代替する政府主導の津波復興支援体制が敷かれる。
 和平事務局の主要メンバーは交代。新大統領はLTTEリーダーに会談を申し入れるが、LTTE側はアジェンダが明確でないとして拒否。
 LTTEとの和平交渉再開の可能性は低くなり、関係は一層冷え込む。ノルウェーの関与を意識的に遠ざける動きも生まれる。

 議会運営については、SLFPからの造反がでれば過半数を確保出来ない可能性もあり、予算審議をめぐっても波乱含み。議会では野党側が攻勢をかける等、混乱が続く。

【ケース2】 ウィクラマシンハ氏が当選

 二分されたSLFPのバンダラナヤカ派と連合を組むか、総選挙の実施で、まずは議会勢力の奪回を目論む。

 北東部復興、津波災害復興事業については、行政機関を大統領、あるいは新首相(UNP)の直轄とし、組織強化を行う。

 新たな和平事務局メンバーで新体制を構築。LTTEとの直接交渉についてはオスロでの会談開始の可能性はあるが、会談は数ヶ月で行き詰まる。

 P-TOMS=津波復興支援機関、ISGA=暫定自治行政機構の扱いをめぐっては、SLFP反対派とJVPなどによる徹底的な妨害工作が続くことが予想され、難局を乗り切る工夫が必要。

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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 10/27 大統領選挙 Part 8 他
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■■ 解説 ■■ ■■ ■■ ■■ ■■ ■■ ■■

大統領選挙をめぐる各勢力の動きが活発化している。

■24日、クマラトゥンガ大統領は、野党党首で大統領候補のウィクラマシンハ氏と会談。

 連邦制導入という方向で紛争問題を解決するという点で合意した他、11月8日に予定されている政府与党の予算案の国会提出について(選挙戦における与党側のイメージ向上につながり)フェアではないと延期を申し入れたウィクラマシンハ氏側に理解を示し、結果の保証はしなかったものの、内閣の説得に動くことを約束したと伝えられており、両者の協調関係が公に示された形だ。

 会談では、ラージャパクシャ打倒のための何らかの密約が交わされた可能性もある。

■また、クマラトゥンガ大統領はSLFPの選挙演説の中で、「北と南の過激派グループ」という表現を用いてLTTEとJVPを同列に扱うなど、JVPと共同戦線を張るラージャパクシャ首相を間接的に非難するとともに、ウィクラマシンハ氏がもたらした停戦合意の価値の大きさについて触れるなど、選挙戦をめぐるクマラトゥンガ大統領率いる一派と、首相擁護派との対立構造が鮮明になってきている。

 一時は政界引退を表明した大統領だが、「すでに完全に翻意した」と伝えられ、策略家でしられる同大統領がSLFP党首にとどまりながら、今度3週間にさまざまな戦術を仕掛ける可能性がある。

■ノルウェーの和平特使ソルヘイム氏は新政府の開発大臣に就任した。

(各種報道を参考にした)


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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 10/17 大統領選挙 Part 7 他
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■■ 報道より ■■ ■■ ■■ ■■ ■■ ■■ ■■

■ラージャパクシャ首相のSLFP大統領選挙マニフェストロが新聞紙上で明らかになっている。

 それによると、
1.中央集権制における国内統一を目指すとして、連邦制を事実上否定
2.新たな津波災害復興の実施体制を作り上げるとしてP-TOMSを葬る考えであること
 を示した。

 クマラトゥンガ大統領が指名した同党のマニフェストロ作成委員会が、党首である同大統領の基本的要求を退けた形である。

 停戦合意の見直し、停戦監視体制の強化についても言及した。
(タミルネット他 10/16)


■10/16付、野党UNPホームページは、来週にもクマラトゥンガ大統領とウィクラマシンハ党首との会談が行われると発表した。

 ウィクラマシンハ氏は大統領に当選した場合、SLFPに連合政府体制への参加を呼び掛け、合意に至らない場合には国会を解散、憲法改正に必要な三分の二体制を確保する方向であることを明言している。

 クマラトゥンガ大統領との会談は、ウィクラマシンハ氏が9月末に行った要請に応える形で行われ、和平進捗に関する国家体制などが話し合われる予定。

 ウィクラマシンハ氏側は、オスロ合意に基づき、連邦制を基本にした和平交渉が行われるべきとする考えを示している。
(UNP Webpage他 10/16)


■16日早朝、コロンボ15区にある政府軍施設付近で強力な爆弾装置が発見され、政府軍によって処理された。
(各種報道 10/17)


■スリランカを訪問中のノルウェー和平代表団は、政府軍とLTTEの軍事衝突が日増しに激しくなっていることに強い懸念を示し、早期の対話再開を促した。
(AP 10/16)


■■ 解説 ■■ ■■ ■■ ■■ ■■ ■■ ■■

■アヌラ外相は、週末のメディア・インタビューに答え、あらためてラージャパクシャ首相を攻撃するとともに、同氏が当選した場合のJVPの動きについて牽制する形で現ラージャパクシャ陣営の危うさについて指摘した。

 JVPとの合意署名時に同氏が同席したことについては、「署名式の1時間前に呼び出され、現地に着いてから会合の目的を知ったのだ」と自身のプレゼンスについて弁明し、首相に陥れられたというストーリー展開を示した。
 
 ラージャパクシャ氏がとうせんしても国家運営の主導権はSLFPにあるべきで、JVP、JHUの影響力を排除するべきとの見解を示した。

■クマラトゥンガ大統領は13日から私用で英国に出国、選挙運動期間に10日間ほど国外に滞在するという、党首としては違和感のある動きをしている。
 予定されていた8カ所での選挙ラリーでの演説は、最終的には3カ所程度になる予定で、協力ボイコットという見方が強い。

(各種報道を参考にした)

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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 10/12 大統領選挙 Part 6 他
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■■ 報道より ■■ ■■ ■■ ■■ ■■ ■■ ■■

■11月17日に投票が行われるスリランカ大統領選挙は10月7日、立候補が締め切られ、13名が立候補を届け出た。
 事実上、ラージャパクシャ現首相と最大野党党首のウィクラマシンハ氏の両者による激戦になる。

 ラージャパクシャ首相はSLFP候補者としてではなく、与党連合党UPFA候補者として届け出たため、Betel Leaf(キンマ=ビンロウの葉)とUNPのシンボルである象のマークで本格的な選挙戦が開始される。
(各種報道 10/8)

UPFA   UNP


■ノルウェー退役軍人で元SLMM現地代表のTrond Furuhovde氏が10日、スリランカ入りし、政府側との協議の後、13日にもLTTE関係者との面談に臨む予定。
 
 同氏は特にLTTE側の多くの停戦合意違反行為について改善を促すものとみられる。

 人権運動家でHigh Commissioner for Human Rights (OHCHR)職員の Ian Martin氏が同行する予定。
(AP 10/10)



■■ 解説 ■■ ■■ ■■ ■■ ■■ ■■ ■■

■アヌラ・バンダラナヤカ外相は引き続き、ラージャパクシャ首相批判を繰り広げている。
 JVPとの大統領選挙をめぐる合意内容や、JVPの経済政策等に触れたもの。

 ラージャパクシャ候補当然の場合には首相に指名される予定の同氏だが、今後このような動きがエスカレートすれば、選挙期間中のSLFP内の対立 → ウィクラマシンハ氏当選 → SLFPの完全分裂 → 政界再編という事態もあり得る。

 与党ながら野党UNP支持に回ったCWC党首と同氏の密談も報道されるなど、アヌラ氏の動きが注目されている。


■クマラトゥンガ大統領はラージャパクシャ候補の選挙運動に参加するとしたものの、どのようなスピーチを行うか、その内容が注目されている。

■ラージャパクシャ首相がSLFPでなく、連合党UPFAの候補として立候補したあたりにバンダラナヤカ色を排除したいという首相グループの思惑が見える。

■一方LTTEは二大候補者の支持について、「中立的」立場を表明している。
 北東部地域のタミル人の多くは(LTTEの指示と監視がない場合)タミル問題にやや有利な展開が望めるウィクラマシンハ氏指示に回ると思われるが、LTTE支配地域内に投票所が設けられない現状では、LTTEによる移動手段の提供がない場合、実質的に有権者の多くが投票を諦めざるを得ない。

 シンハラ政界への非難を込めたLTTEによる投票ボイコットがこのような形で行われる可能性もあり、その場合にはウィクラマシンハ氏が票を失うことになる。

(各種報道も参考にした)

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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 10/6 大統領選挙 Part 5 他
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■■報道より■■

■SLFPの大統領選候補であるラージャパクシャ首相は、立候補に必要な供託金を選挙事務局に納入し、立候補の手続きを完了した。
(各種報道 10/5)

■ムスリム政党SLMCは5日、UNPのウィクラマシンハ大統領選候補の支持を正式に表明した。
 また、インドタミルの支持政党であるCWCもウィクラマシンハ氏支持を既に表明している。
(AP 10/5)


■コロンボと南部ベントータ、コガッラを結ぶ国内航空路線が11月から運行開始する予定。
 欧州国際路線客の到着に合わせ、早朝にバンダラナヤカ国際空港を出発、比較的低空を飛び海岸線の景色を楽しめることで付加価値を付ける。


■■解説■■

■クマラトゥンガ大統領の求心力低下が著しい。

 国連総会のため国外にいた2週間半の間に、SLFPはラージャパクシャ首相を中心にアンチ クマラトゥンガで結束した感がある。
 クマラトゥンガ大統領帰国後に開かれた党中央委員会には70名の委員のうち40名のみが出席、ラージャパクシャ首相は確信犯的に会議を中座して選挙活動に出かける有様で、反逆の姿勢を党の実力者に間接的に示し、事実上新しき党主導者ラージャパクシャが誕生した。
 同時に伝統政党SLFPにおけるバンダラナヤカ家の影響力が絶える可能性もあり、同党は新しい時代を迎えた。

 党員にしてみれば、クマラトゥンガ大統領の「連邦制やP-TOMS」に対するこだわりよりも目の前の大統領選挙に勝って自身と党の政治生命をつなぎ止めることが唯一、最大のテーマであり、勢いのあるラージャパクシャ首相に運命を託すのは自然な成り行きだ。

 候補者のすげ替えによるアヌラ外相の擁立、国会解散/総選挙の実施によるJVP、JHUとの協力体制の崩壊を目論んだクマラトゥンガ大統領の計画はSLFP党内の勢力によって完全に阻止された。

 残りの任期を数えるばかりとなったクマラトゥンガ大統領だが、ウィクラマシンハ氏との個人的関係からUNPとの連携はあり得べきもない。
 仏で開かれたユニセフ会合のスピーチでも国連機関を持ち上げているところを見ると、今後の目標を国連のポスト狙いに絞ったようにも見受けられる。
 国際的な知名度や年齢(60歳)から、このまま黙って引退するとは思えず、上記のような憶測が飛び交っている。

 最高裁が任期を本年度までとする判断を示した時に、政局は大きく動いたことを本人も自覚したであろう。
 大統領としての残りの期間にどのような政治能力を見せるか、選挙期間中の言動が注目される。


■SLMC、CWCがウィクラマシンハ氏支持に動いたことで支持勢力からみると大統領選挙はUNP有利になった。
 しかし、依然として地方での支持獲得がUNPの課題であり、LTTEとの対話に強硬路線を敷くラージャパクシャ首相が優勢とする見方が強い。
 それぞれの勢力は矢継ぎ早に新たな選挙公約を発表、浮動票の支持獲得に躍起である。

 1千3百万の有権者のうち、CWCは90万、SLMC(主流グループ。最近の勢力回復後)50万の支持者がいると推定される。
 SLMCの一部(分離グループ)は、与党に参画している。

 参考までに以下に2004年の総選挙結果を示す。
 ・CWCは同選挙ではSLFPと協力し、現在もUPFA与党に属している
 ・同選挙で躍進したJHUはSLFP支持であり、JVPはUPFA勢力に含まれている
 ・TNAの野党UNP支持は確実である

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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 10/1
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■■報道より■■

■ SLFP党中央委員会が30日開催され、党首のクマラトゥンガ大統領はラージャパクシャ首相を強く批難しつつも、同首相を大統領候補として選挙に臨むことを了承した模様。

 会議開催時刻が遅れたため、ラージャパクシャ首相は開始を待たずに選挙活動のため東部に移動、同首相が欠席したまま始まった会議は大荒れとなった。

 委員会ではJVP、JHUとの協定合意に至ったラージャパクシャ首相の一連の動きに対して大統領が強い不快感を表明したが、ラージャパクシャ擁護派が多数を占めた。

 最終的にはマニフェストロに連邦制による紛争問題の解決を盛り込むことで大統領が妥協し、ラージャパクシャを委員長とする「マニフェストロ作成、選挙活動」委員会を指名した。

 これによって、SLFPの内部分裂は当分の間避けられたものの、大統領と首相の間の関係改善は容易でなく、火種を残したまま本格的な大統領選挙に臨むことになった。
(AT 10/1)

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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 9/28
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■■報道より■■

■EUは27日に声明を発表し、カディルガマル外相暗殺等をLTTEの犯行と断定、LTTEのテロ組織認定を「積極的」に検討していることを明らかにした。

 また、当面LTTE関係者のEU入国を制限するとともに、EU各国における不正な資金調達、プロパガンダについて調査、排除していく考えであることを発表した。
(各種報道 9/27)

■LTTEのダヤマスター広報担当は、EUの声明について反論。
「LTTEはタミル人の権利のために戦っている」としてテロ組織とする認識を非難、LTTEの公式声明が出される予定であると述べた。
(AP 9/27)

■野党UNPは27日、大統領選挙にあたってのマニフェストロを発表。貧困撲滅、恒久和平、失業率の低下の3つの柱を掲げた。
(各種報道 9/27)


■■解説■■

■EUの声明
 このタイミングでLTTEを刺激することに対する是非もあったと思われるが、スリランカ国内で相次ぐ暗殺行為等に対しての欧州諸国の苛立ちを見せた形だ。特にロンドンのテロ事件を受けて敏感になっている英国の意向が反映されたものと思われる。
 ノルウェーはEUのLTTEテロ組織認定について、再考を促す形で働きかけているとも言われる。
 同国は1994年にEU加盟を国民投票で否決しており、EUには加盟していない。

■クマラトゥンガ大統領、アヌラ外相の動きが伝わってこない。
1.SLFPの大統領選挙候補者のすげ替えを画策して、下準備を行っている。候補者登録の締切間際に大胆な動きをする
2.ラージャパクシャ首相との関係改善のために、冷却期間をおいている
 の2つが考えられるが、来週中には何らかの動きが見られるであろう。


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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 9/20  大統領選挙 Part 4 他
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■■報道より■■

★大統領選挙は11月17日(木)、立候補届出締切は10月7日(金)となる見込み。
 選挙管理委員長が19日、声明を発表した。今後官報公示によって正式に告示される予定。

 既にSLFP、UNP候補は実質上選挙活動を開始しているが、各勢力の活動がより活発化することになる。

 13万3千の票が、今後6年間強大な権力を握る元首の選択にどう動くかが注目される。


■一部報道では、国連総会に参加したクマラトゥンガ大統領は帰国後、SLFP党中央緊急委員会を招集、同党の大統領候補が国民に示すべき政治的指針を検討すると伝えられている。
 場合によっては、ラージャパクシャ首相にJVP、JHUとの大統領選挙共闘に関する合意の破棄を迫ることになる。

 同氏がこれに応じない場合の対応として、別の大統領候補も検討される見込み。

 一方、大統領に真っ向から抗うかに見えるラージャパクシャ首相は、独自方針による大統領選挙活動を続けており、20日にはJVP等との選挙ラリーをコロンボで開始する予定。
 大統領側はラージャパクシャ氏が津波災害支援資金を個人口座に入金した問題を表面化させるなど、支援基盤の攪乱も目論んでいる。

 大統領側は「国会解散、総選挙」とそれに先立つ「首相交代を含む内閣改造」も考慮しているのではないかとの憶測もある。

 JHUとの合意文書に調印した当日、ラージャパクシャ首相も列席する中で、JHU代表が「クマラトゥンガ大統領はわが国の分裂の貢献者」とするスピーチをしたことが、クマラトゥンガ大統領の逆鱗に触れたとする情報もある。
(AT 9/18)


■タミルチェルバンLTTE政治局長は17日、クマラトゥンガ大統領が国連総会で行ったスピーチの内容に関し、「多くの矛盾がある」として反論を展開。

 連邦制による解決を目指していると言いつつ、2003年10月に暫定自治行政機構=ISGA案に反対して和平交渉再開を頓挫させた事などを挙げ、言動不一致であるとして非難した。

 クマラトゥンガ大統領は、17日の国連総会演説でLTTEのテロ活動を痛烈に批判、国際社会の協力を求めた。
(タミルネット他 9/17)


■■解説■■
 大統領候補者をめぐるSLFP内の対立構造が噂されるが、一部ではアヌラ外相が、マヒンダ氏批判報道を否定するなど、果たして大統領が候補者のすげ替えに動くかどうかは現時点では定かではない。

 本件をめぐる党の混乱、分連が取りざたされるだけでも選挙戦においてはSLFP不利に働き、UNPに漁夫の利を与えることになる。

 しかし、政治マジックにかけては一流の手腕を持つクマラトゥンガ大統領だけに、バンダラナヤカ家の生き残りをかけた一幕劇の演出に動く可能性は少なくない。
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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 9/14
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■■報道より■■

■ラージャパクシャ首相は13日、予定通りJHUとの合意文書に署名し、JVP、JHUとの共同戦線で大統領選挙を戦う意思を示した。

 合意内容には、停戦合意の見直し、P-TOMSの破棄、一部勢力による部分支配(LTTEによる北部、あるいは北東部の支配)の否定、LTTEの武装解除前の直接会談等の禁止が盛り込まれた模様。

 署名は一般、報道関係者を避けて行われた。

 また、JHU関係者は「大統領がラージャパクシャ氏をSLFP大統領候補から外すようなことがあっても、JHU枠をつかって立候補させる」とも述べた。
(各種報道 9/13)

■12日に行われたノルウェー議会総選挙の結果、労働党を中心とする野党3党連合が勝利。現在の中道右派与党陣営にかわって、10月に新政権が発足する。
 和平推進役のエリックソルヘイム氏は、スリランカ和平への関わりについて、新政府は前政権の路線を踏襲し、引き続き和平推進に積極的に関与するであろうとする見方を示した。同氏については、新政権での入閣の噂もある。(各種報道 9/13)

■ムスリム政党SLMCは13日、野党UNPのウィクラマシンハ氏の大統領選挙支援すると発表。同党の動きは東部アンパラ、バティカロアでの票の動きに影響を与えることになる。(各種報道 9/13)

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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 9/13
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■■報道より■■

■ラージャパクシャ首相は13日、大統領選挙活動におけるJVPとの協力合意をめぐってクマラトゥンガ大統領から糾弾されたことについて、「誰の言いなりにもならない」として反論するとともに、LTTE代表との直接会談についてもなんらからの成果を得られるとする自信を示した。
 また、UNPとの協力体制や少数は民族への配慮を示し、国内の分裂を避ける姿勢をアピールした。
(Island 9/13)

■スリランカ最高裁は9月12日予定されていたP-TOMSに関する審理を大統領選挙実施後の11月22日に延期した。
 同件に関しては、7月中旬にP-TOMSに関する仮処分を決定し、実質的に中心的機能が行政執行できない状態が続いている。
(各種報道 9/12 7/15既報分に関連記事)

■スリランカテレコムとインド最大の通信企業であるBSNL は12日、300万ドルの海底光ケーブル敷設の契約に署名。
 2006年第2四半期までにはスリランカ国内でブロードバンド事業展開を開始したいとしている。主幹ケーブルの最高通信速度は毎秒160ギガだが、当初は10ギガ程度で事業を開始する予定。
(各種報道 9/12)

■■■解説■■■
 国連総会特別首脳会議に向かったアヌラバンダラナヤカ外相はロンドンで記者団と会談し、ラージャパクシャ氏に対する批判を展開、「大統領選挙には関心がない」とする発言もあった。

 先にニューヨークに向かったクマラトゥンガ大統領はラージャパクシャ氏の孤立化を狙ったような動きを展開している。同じく国連総会に出席するCWCトンダマン党首らもこれに同調している模様で、政界にはさまざまな憶測が飛び交っている。

 次第に独自色を強め、大統領の座になりふり構わないラージャパクシャ首相の指導力不足という認識を煽り、SLFP設立者の血を引くアヌラ氏を擁立するいう選択肢は十分あり得る。

 大統領選挙についてはまだ日程が発表されておらず、公示後、アヌラ氏を立候補者として届けることは可能である。
 そのような成り行きになれば、SLFPは分裂、JVPは独自候補を擁立して票の拡散を目論み、大統領選はUNP有利に展開することになる。
(AT記事を参考にした)


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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 9/12
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■■報道より■■

■JVPが大統領選挙への協力の条件として求めていた合意文書にラージャパクシャ首相が署名したことについて、クマラトゥンガ大統領は同首相を強く非難、両者の緊張関係が高まっている。

 大統領は8日、SLFP党首名でラージャパクシャ首相に書簡を送付。その中で、JVPとの合意内容と合意に至るプロセスは党の規範を乱すものであるとして、不快感を表明、選挙実施前にJVPとの合意を取り消すよう促した。

 クマラトゥンガ党首は、同首相がクマラトゥンガ氏や党の中央委員会にさえ報告せずに署名したこと、JVP側の提示した内容についてはSLFP側の意見を盛り込むとした党の了解事項を無視して署名したことについて批判するとともに、JVPとの合意内容は、(連邦制などの)権限委譲によってLTTEとの和平合意に至るという、SLFPの基本方針を否定するものだと強く非難し、「今回の合意のもとで、どのように和平を推進していくつもりなのか、党と国民に説明する必要がある」とした。

 同首相がLTTE代表プラバカランとの直接会談の可能性を表明していることについても、期待される会談の成果に疑問を呈した。
(Reuters他 9/9)

大統領は11日、国連総会出席のためにニューヨークに向かい、18日に帰国する予定。
(各種報道 9/11)


■EUの対外関係及び近隣政策担当委員ウォルドナー氏は9日、開催地選定をめぐって政府との直接会談への不参加を表明しているLTTEについて、政府との会談に応じるべきだとする声明を発表。

 同時にEUとしてLTTEをテロ組織として認定する動きがあることついては、「あらゆるチャンネルをオープンに」しておきたいとして、現時点でテロ組織指名をする可能性は低いことを述べた。

 また津波復興支援については、先に政府とLTTEが合意した合同体制(P-TOMS)が必要だとする意見を述べた。
 (IANS 9/9)


■ノルウェー政府は9日、停戦合意に反する暴力行為が頻発しているスリランカの事態を重く見て、新たな特使としてSLMM前代表の派遣を発表した。派遣は10月になる見込み。
 LTTEがカトナヤカ国際空港での政府との交渉を拒否したことを受け、政府、LTTEと今後の対応を協議する。

 また、同国外交筋は、11月に予定されている大統領選挙以前にLTTEと政府との直接会談が行われる可能性はないとする見方を示した。

 ノルウェーは、スリランカの和平、停戦合意状況を協議するため、米、EU、日を招いた関係国会議を9月19日に開催する予定。
(Reuters 9/9)

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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 9/9
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■■報道より■■

■LTTE政治局長タミルチェルバンは8日、ノルウェー代表団とキリノッチで会談し、政府側との会談の会場として提示されたカトナヤカ国際空港を、「意義ある会談」の場としてふさわしくないとして拒否。
 双方にとって自由な雰囲気が提供されるべきだとして、海外での会談開催にこだわった。
 政府側は昨日、国際空港での会談開催に合意してした。

 また、タミルチェルバン政治局長は、南部(シンハラ)勢力が「単一国家」を強調していることについて、過去3年半の和平推進への努力をムダにする動きだとして非難した。

■上記会談に同席したSLMM(スリランカ停戦監視団)代表は、SLMM関係者が東部でカルナ派グループとの接触を行ったとのニュースについて、LTTE側から説明を求められた。SLMM側は東部における同グループの存在を確認するためであったと回答した。

(各種報道より 9/9)

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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 9/8
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■■報道より■■

■ノルウェー政府外務省は7日、声明を発表し、政府とLTTEの直接会談の会場としてカトナヤカ国際空港を提示。会談の早期実施を呼びかけるとともに、今月19日に同国、米、EU、日による臨時特別会議を招集し、治安悪化と停戦合意の危機をアピールする予定。
 政府、LTTEの直接会談については、政府側は国内での開催を、LTTE側は治安上の理由から海外か、北部キリノッチでの開催を要求していた。
 LTTE関係者も海外渡航の際、同空港に数時間の滞在をすることから、両者の条件にあう唯一の会場だとした。
(AP 9/7)


■■解説■■

■ノルウェー政府の今回の声明が、両者に打診した結果であるか否かは定かではないが、どちらかがこの提案に合意しなかった場合には、当面直接会談が行われる可能性はなくなる。
 論理で政府、LTTEを追い込むかのような今回の特別声明には、ノルウェーの和平関与に非難的なJVPやJHUが与党大統領候補への支援を表明したことに対する、ノ国の危機感も感じられる。

■先週スリランカを訪問したラクダル・ブラハミ国連事務総長特別顧問は、スリランカの和平進捗において、国連がノルウェーに取って代わり、仲介役になる可能性はないと述べた。

 ブラハミ氏は紛争解決におけるアフリカ、中南米各国での多くの実績があり、近年ではイラク、アフガン、ネパールでの活躍が知られており、彼を送り込んだ背景にはスリランカの問題に対するアナン国連事務総長の強い関心がある。
 ブラハミ氏は、停戦合意が基本的に守られている状況と(ノルウェーの関わっている)現在の和平交渉の構造について評価すると共に、関係者による一層の和平推進の必要性を強調した。

 クマラトゥンガ大統領との間では、LTTEによる要人暗殺、少年徴兵の問題などが話し合われた模様で、アナン国連事務総長に支援要請を行ったククマラトゥンガ大統領の真意は、退陣前に和平進捗のレールをより堅固なものにするところにあるのかもしれない。

 しかしながら、ノルウェーや、隣国の動きを見守っているインドにとっては招かざる客であることも事実であり、クマラトゥンガ大統領の任期が3ヶ月あまりとなった今、目立った動きは取れないという国連側の思惑もある。


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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 9/7  大統領選挙 Part 3
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■■報道より■■

■僧侶政党JHUは、大統領選挙の協力関係でラージャパクシャ首相と条件付で合意に至り、選挙戦では同氏を支持すると発表した。
 同党によれば、連邦制によらない北東部地域の掌握も条件に含まれているとのこと。首相側からの発表はない。(AP 9/6)

■SLFP党首のクマラトゥンガ大統領は4日に開かれた党大会で、大統領選挙におけるJVPとの協力体制を認める見解を表明。
 また、終身党代表への就任は固辞した。(HT他 9/5)

■JVPは5日、SLFP大統領候補のラージャパクシャ首相を支持するための条件を提示。P-TOMSの白紙撤回、停戦合意の見直し等が含まれている。
 同時にすでに首相側と基本方針で合意に至ったと発表した。

 首相側は交渉継続中であるとしつつ、停戦合意へのコミット、開放経済政策に変更はないとしてJVPが提示した条件に合意したものではないとする見解を発表した。

 以下の12箇条(概要)が条件とされている。
・P-TOMSの白紙撤回
・LTTEを単独交渉相手としたISGA及び同様の合意の否定
・統一国家としてのスリランカ国家体制の堅持
・和平仲介、停戦監視におけるノルウェーの失敗に鑑み、同国の役割の再考
・停戦合意の見直し、特に安全保障上問題で分離独立を助長すると思われる条項の削除
・北東部におけるLTTEのテロ行為の排除により人権、民主主義、法秩序を回復し、全ての政党が市民のために自由に活動できる環境作りのための何らかのアクション
・次期大統領の就任期間中における、大統領制の廃止
・自由主義的開放経済体制の放棄
・港湾、空港、銀行、石油、電気、水、鉱山資源の民営化の阻止
・教育の無償提供の確保
・物価抑制に対する対策(JVPの)政策案の実行
・非同盟外交、アジア地域協力体制の強化
(タミルネット他 9/5,9/7)
  
■ムスリム政党のSLMC及び、 CWC 等もUNP、SLFPとの個別会談を行った模様であるが、現時点では大統領選に関する党の方針について態度を保留、状況の流れをうかがっている。(各種報道から)


■■解説■■

■JVP、JHUの提示した条件に首相、SLFPが全面的に合意したとは考えにくいが、両党は一方的に支持を表明することで、今後の政局運営での影響力を高めたい考えだ。
 カディルガマル外相暗殺事件によって和平仲介役としてのノルウェーに対する期待感がより薄れていることもあり、協力を渇望する首相周辺の意向に乗じてP-TOMSの白紙撤回、停戦合意の見直し等に関する有利な展開を模索している。

■クマラトゥンガ大統領は、大統領選挙におけるJVPとの協力体制に反対してきた。
 P-TOMSをめぐるJVPとの確執、LTTEとの和平推進に対する反対姿勢、JVPの経済政策等から考えると、JVPとの協力関係は大統領選挙後、SLFPの足枷になりかねないが、11月にも国会に提出される来年度予算案を可決するためにも、ある程度JVPの協力を得ることが必要と判断した模様。
 
■JVPに次いで、JHUも条件付ではあるがラージャパクシャ支持を表明したことによって、ラージャパクシャ候補の勝算は高まった。
 一方のUNPは、SLFP、JVPの動きを非難しつつ、インパクトのあるメッセージを発信出来ずにいる。

■ラージャパクシャ候補、EPDP党首、JVP関係者等をターゲットとした暗殺等、テロ行為の可能性も高まっている。特に選挙期間中は注意が必要。
 
□アフガニスタンでは7月の武装解除終了宣言に続き、今月議会選挙の実施を迎える。
 自立的政治機能体制や、実際の治安の回復はまだ時間がかかると思われるが、ソ連侵攻から30年、争乱で徹底的に破壊された社会経済インフラと政治の混乱が整備され、調和されていく流れに向かいつつある。
 特に、日本政府や民間団体がDDRを主導したという実績にも注目したい。


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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 9/1
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■■報道より■■

■LTTEは政府側との直接交渉について、スリランカ国内での開催を安全上の理由から拒否した。
 先週、政府側はLTTEの希望したオスロでの会談開催を拒否し、スリランカ国内での開催を要求していた。
 この間、LTTE側はキリノッチでの開催について示唆したが、政府側はこれも拒否し、停戦ライン内の無人エリアでの開催を提示。LTTEはこれを受け入れず、再び海外での開催を求めた模様である。

 一部には、政府とLTTEとの交渉実施は大統領選挙後になると見る向きもある。
(各種報道より 9/1)

■SLFPの大統領選立候補予定者であるラージャパクシャ首相が、当選後のLTTE代表プラバカランとの直接会談の可能性に言及したことに反応して、TNA幹部は同首相の発言が単に選挙に向けでないことを示すためにも、プラバカラン宛の書簡を出すべきだとした。
 また、僧侶政党JHU関係者は、LTTE代表との直接会談自体でなく、会談の成果自体が重要であると冷ややかな見方を示した。
(各種報道より 9/1)

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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 8/30 大統領選挙 Part 2
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■二大政党両陣営は、選挙戦に向けた動きを加速。
 ラージャパクシャ氏は当選後のLTTE代表プラバカランとの直接会談を示唆、停戦合意反対の姿勢というネガティブ・イメージの払拭に努めている。

 少数派の取り込みも進んでおり、SLFP側はCWC, EPDP and NUAとの連携を確保した模様。
 UNPはJHUとの交渉を行ったが、提携関係の構築には至らなかった。

 JVPは独自候補の擁立を行わず、条件次第でラージャパクシャ首相を支援する可能性を表明している。
 JVPとの連立を嫌うSLFP党首のクマラトゥンガ候補の意向を背景に「連立なき支援」があり得るが、首相周辺とJVPとの間で選挙後の密約が交わされる可能性もある。
(各種報道より 8/30)

■大統領選挙の実施日は近日中に発表される見込みである。
(各種報道より 8/30)

■■■■近年の主な選挙結果と2005年大統領選(予定)■■■■
 近年の主な選挙結果から、投票者の政党支持の動き等を見てみる。

■1994年大統領選挙 【図1 左上】
・同年8月に行われた選挙でUNPは惨敗し、LTTEとの対話を開始したクマラトゥンガ新首相が大統領選に出馬。
 和平への期待がクマラトゥンガ候補の圧勝に結びついた。
・UNP大統領候補のディサナヤカ氏は、選挙2週間前にLTTEの自爆テロに遭い暗殺される。
 UNPは急遽夫人を擁立するが同情票をあつめてもPA候補に及ばなかった。
・翌年1月にはLTTEとの事実上の停戦に持ち込み、和平交渉が行われたが95年4月に武力紛争再開。
 以後内戦は激化。1996年1月にはLTTEによる中央銀行爆破事件が起こり、民間人100人以上が死亡、1300人以上が重軽傷を負った。
(PAはSLFPと少数派政党との連合党。UPFAも同様)

■1999年大統領選挙 【図2 右上】
・選挙中にも政府軍とLTTEとの激しい戦闘が繰り広げられた。
・選挙の1週間前に、LTTEによる自爆テロでクマラトゥンガ候補は右目を失明。
 いたいたしい姿が同情票を集めたこともあり、UNP候補のウィクラマシンハ氏を破る。
・JVP候補も34万票あまりを獲得し、存在感を示す。

■2001年(12月)総選挙 【図3 左下】(表中UNPとあるのは正確には連合党UNF)
・前年行われた第11回総選挙では、PA107議席、UNP89議席、JVP10議席、TULFが5議席を獲得。
 PAは過半数(113議席以上)に満たず小政党の協力を仰ぐ。
 同日、クマーラトゥンガ大統領の実母で元首相のシリマヴォ・バンダーラナーヤカが心臓発作により死去。PAを率いるSLFPに勢いが増した。
・その後の政局の動きで、6月にはSLMCの6名の議員、10月にはG.L.ピーリス議員等らが野党UNPに移籍、内閣不信任案の否決が不可能になり、大統領が国会を解散して選挙となった。

・結果は、UNPのが109議席を獲得して第一党となり、ウィクラマシンハ政権が誕生。
・一方、JVPは前回よりも票を伸ばして80万票、16議席を獲得し、勢力を拡大した。
・12月24日LTTEが一方的に停戦を表明し、その後政府とLTTEとの和平進捗の機運が高まった。

■2004年総選挙 【図4 右下】
・ウィクラマシンハ首相のLTTEとの交渉姿勢に反発したクマラトゥンガ大統領が2月に突然国会を解散、JVPとの連合、少数派の取り込みで過半数を得て政権を奪回した。
・ボーナス議席(全得票数に応じた比例議席)でも優遇されたJVPが39議席を得る。
・選挙には勝ったものの、最も議席を失ったのはSLFPであった。現在57議席。
・その後JVPは、津波災害復興計画におけるLTTEとの協定に反対して政権を離脱。

■■2005年大統領選挙(予定)の見方■■
・JVPの支援なしではSLFP候補の勝算は低いことが分かる。
・UNPはTNAの支援取付は確実。JHUとの連携を成功させていれば数字の上では50%以上の支持が得られた。
・現時点では五分五分の状況と見ることが出来る。
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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 8/27 大統領選挙 Part 1
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■■報道より■■   大統領選挙 Part 1

★スリランカ最高裁は26日、大統領選挙は本年2005年に行われるべきとする判断を示した。

 僧侶政党JHUが申し立てていた基本的人権に関する請願に対して、5名の判事全員一致で2005年の選挙実施が妥当とする判断を下したもの。
 最高裁は大統領から出されていた諮問請求は退け、JHUの請願手続きに対する司法判断を示すことになった。

 現時点では大統領府からのコメントはないが、政府スポークスマンは「最高裁の判断を尊重する」としており、これ以上司法の場で争われる可能性は少ない。

★これによって、10月21日〜11月21日の間に大統領選挙が実施されることになるが、11月18日(金)が有力とする一部報道もある。

★今後は、クマラトゥンガ大統領が国会を解散するのか、SLFPがJVPと再び連合党を組むのか、予定されているLTTEとの交渉がどのような成果を生むのか、が注目される。
 総選挙を大統領選挙以前、あるいは同時に行うためには9月上旬に国会が解散されなければならない。

★最大野党のUNPはウィクラマシンハ党首を大統領候補として実質的に選挙活動を開始すると同時に2005年の選挙を要求して大規模なキャンペーンを実施、危機感を抱いたSLFPは2006年の選挙実施を主張すると同時にラージャパクシャ首相を大統領候補に指名し、選挙実施に備えてきた経緯がある。

 SLFPにとっては、選挙活動体制構築の遅れを挽回すると同時に、JVPとの協力体制をなんとしても得たいところだが、党首であるクマラトゥンガ大統領はJVPとの和解に後ろ向きであり、また、JVPと連合した約1年間の混乱とネガティブな実績が浮動票を大きく野党側に向けることになる可能性をも考慮する必要があり、SLFPが勝つための枠組み作りには困難が伴う。

 SLFPにとっては、クマラトゥンガ大統領が津波災害に対して無難な対応を取ったという実績が好材料としてあるものの、物価高騰、経済停滞、和平交渉の遅れ等、野党からの攻撃材料も多くある。
 カディルガマル外相暗殺への反応はSLFPへの同情票として、またLTTEへの大きな情報を示してきたUNPに対する反発としてあり得るが、今後の選挙運動のキャンペーン、予定されているLTTEとの和平交渉の行方次第である。
★スリランカの株価市場は「最高裁の判断」を好感、株価は急騰、高値をつけた。 
 (8/26の各種報道を参考にした)
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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 8/24-2
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■■報道より■■

■スリランカ政府は、停戦合意をめぐるLTTEとの直接交渉はスリランカ国内で行われるべきだとして、LTTE側が希望していたオスロでの開催を拒否する意向をノルウェー政府を通じてLTTE側に示した。

 政府関係者によれば、過去の和平交渉は全て海外で行われてきたが、LTTE側は海外で自らのプレゼンスが強調される場を利用しているとして、国内での開催にこだわった。


 LTTE側は安全確保の理由から政府支配地域での開催には応じないと見られ、キリノッチ、或いは軍事緩衝地帯等での開催が考慮されることになる。

 強気の政府の姿勢に、現在までのところLTTEの正式な回答は出ていない模様だが、LTTE側の反発があれば交渉に遅れが出る可能性もある。

 政府側が、開催地に関してLTTE側の要求を拒んだのは今回が初めて。(AP他 8/24)

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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 8/24
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■■報道より■■

■政府とLTTEの停戦合意をめぐる直接交渉は、9月上旬にオスロで開催される込みで、今週ノルウェーのソルヘイム特使がスリランカを訪問し、議題と代表団の構成などを固める予定。

 現在の案では、政府側代表がサラット・アムヌガマ蔵相、メンバーはダナパーラ和平事務局長、軍関係者他。
 LTTE側はタミルチェルバン政治局長が代表となり、プリデェーバンLTTE和平事務局長、バーラシンハムLTTE政治顧問等の名前が挙がっている。
 また、議題については特に限定せず、オープンな話し合いとする案も浮上している。

■スリランカ最高裁は今週金曜日に、大統領選挙の実施時期に対する判断を示す模様。

 これとは別に、選挙管理委員長の法務長官に対する意見陳述が既に行われており、その中で選挙管理委員長は「現大統領の就任宣誓が1999年になされている」ことを理由に、大統領選挙実施は2005年が適当とする意見を提示している。

■ス国警察は、LTTEの(カディルガマル外相の狙撃失敗に備えた)第二弾の暗殺計画があったと発表した。
 先週、国会に通じる道路上に仕掛けたダミーの地雷が発見されており、警察関係者はダミーで警備の反応をうかがっていたものと判断している。
 また、外相暗殺に使用された銃は現場では見つかっていないこと、武器は狙撃用ライフルでなく短機関銃であり、狙撃距離は50メートル程度であったと発表した。

■クマラトゥンガ大統領は22日、暗殺されたカディルガマル外相の後任に、観光・工業・投資大臣のアヌラ・バンダラナヤカ観光大臣を指名。観光大臣との兼任とした。

同時にアムヌガマ蔵相が工業・投資・財務大臣となった。

--------------アヌラ・バンダラナヤカ------------
1949年生まれ。56歳。
バンダラナヤカ元首相を父に、世界初の女性宰相シリマボ・バンダラナヤカ元首相を母に持つ。
クマラトゥンガ大統領の実弟。
ロイヤルカレッジ出身、ロンドン大学卒。

1977年、28歳でヌワラエリア選挙区から国政選挙に出馬し初当選。
1983年には野党代表人に指名される。
1993-1994、UNP政権下で高等教育・国家和解省大臣となる。
1999年の大統領選挙ではUNPウィクラマシンハ大統領候補の強力なサポーターとして選挙運動を戦ったが、その後、父が創立し姉のチャンドリカが率いるSLFPに移籍、現在SLFP副代表。2004年、観光大臣に就任。

幼い頃から母の外遊に伴われて各国を訪問し、古くは毛沢東、ニクソン他、各国リーダー達との面談経験もある。
政治家としては外交通としてスリランカの外交政策に関与してきたとも言われ、インドとの強い人脈がある。


---------------------■■トピック■■-------------------------

★セトゥサムドラム・プロジェクト
Sethusamudram Ship Canal Project (SSCP)

 インドとスリランカの海峡に建設される総工費US$4.325億(2005年5月時点)の大型船舶運航用の運河プロジェクトで、海洋の生態系に影響があるとして環境団体等からの批判を受けている。

 インドとスリランカが最も接近しているインド南東部のアダムス・ブリッジとスリランカのマナー県タライマンナール半島間の海域は水深が浅く、大型船舶は航行できない。
 このため、西からインドに沿って、インド東部港湾、バングラデシュ、中国方面に航海する大型船舶は、すべてスリランカの東を回っている。
 つまり、インド船舶はインド国内の移動にも、インド国の水域を出て公海を通る「回り道」を強いられている。
 同地域での運河の開発によって、航海距離にして780キロ、約30時間の時間短縮が可能となるとしており、経済効果が期待されている。
 具体的には約89キロ(計2本延べ167キロ)の航海水路の浚渫を行う工事である。

【プロジェクト地図】
http://sethusamudram.gov.in/Images/Map8.jpg
http://sethusamudram.gov.in/Images/Map3.jpg
http://www.tamilnet.com/pic.html?path=/img/publish/2005/06/sethu_01.jpg&width=553&height=638


 運河計画は19世紀に当時の英国領インド海軍の司令官によって提案されていた。
 インド政府は1955年にセトゥサムドラム・プロジェクト委員会を設立して長く研究を行ってきたが、2001年、F/Sを開始。2005年5月に政府承認を得た。

 環境問題の視点から取りざたされているが、軍事的にもインド軍の行動範囲を大きく拡大することから、対米中との関係でインド軍は強みを増すことになる。

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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 8/22
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■■報道より■■

■政府、LTTEの直接会談
 クマラトゥンガ大統領が提示した直接対話にLTTEが合意、一部報道では会談は2週間以内にオスロで開催され、停戦合意(CFA)の遵守、実際的な運用について話し合われる予定である。

 大統領の提案はノルウェー首相に宛てられ、故カディルガマル外相の国葬に列席したノルウェー外相らが17日、帰途ロンドンに立ち寄り、バーラシンハムLTTE政治顧問との会談で提示した。(各種報道 8/20)

■LTTEの停戦合意違反続く

 20日、バティカロアのKalaviyankaduで、政府基地に対するLTTEの手榴弾事件があった。
 19日には同じくバティカロアKattankudyで、3人の市民がLTTE兵士とみられる者に銃撃を受けて負傷した。
 17日にはジャフナのEPDP(タミル政党で反LTTE派)事務所に対する手榴弾爆撃が起きた他、ヴァウニアでタミル政党TELOメンバーが銃で殺害され、LTTEの犯行と見られている。

 16日にはキリノッチの国連事務所で、故カディルガマル外相への弔意を表すために半旗を掲げていた国連旗をLTTEが扇動した60名近い人々によって引き下げられるという事件が発生し、国連事務所及び政府はLTTEに強く抗議した。

■国際社会への反発
 クマラトゥンガ大統領、ラージャパクシャ首相、和平事務局長ダナパーラ氏、保健大臣等政府関係者は、先週相次いで関係各国に和平推進への協力を求めると同時に、LTTEのテロ行為に対する各国の「責任」を強調した。
 ス国外務省関係者は、国際社会による制裁なども視野に入れるよう示唆した。

■18日、スリランカ国会は国家非常事態令の1ヶ月延長を決めた。カディルガマル外相暗殺に係る捜査活動において、警察権限の拡充を維持するのが目的。スリランカでは1983年から2001年まで、国家非常事態令が敷かれていた。

■ネパール国連人権高等弁務官事務所代表のイラン・マーチン氏が来月、スリランカを訪問、ス国の人権状況などの視察を行う予定。同氏は2002年、2003年に政府、LTTEの人権問題のアドバイザーとして迎え入れられて事がある。今回の訪問はノルウェー政府の要請によるものとされている。

----------------------■■解説■■------------------------------

★外相暗殺以前にも政府側はSLMMを通じてCFAに関する協議を提案したが、LTTE側は拒否していた。

★今回クマラトゥンガ大統領がノルウェー政府にLTTEとの直接協議を提案したのは、ノルウェーと国際社会の責任に対する抗議というシグナルも含まれている。 
 カディルガマル外相暗殺で立場を危うくしたノルウェーは、今回の交渉でなんからの結果を出したいところだ。

★しかし、交渉の行方については厳しい見方がある。
 一方は外相暗殺を、一方はカルナ派支援による東部でのLTTEの攻撃を、譲れない議題とするだろう。
 国内の反応を考えると、政府側は3000回を越える停戦合意違反について、LTTEを糾弾する場としたいところである。政府側は、今後の政局運営、大統領選挙、国政選挙への影響も鑑み、譲歩の可能性はない。

 カルナ派に対する政府軍の支援については明らかではないが、南部勢力にとって東部でのLTTE活動弱体化の最大の武器であり、情報源であるカルナ派と軍部のつながりはあると見るべきであろう。LTTEにとってはこの問題の解決なくして、今後の和平交渉はあり得ない。

★故カディルガマル外相はかねてからノルウェー仲介による今次和平交渉に批判的であったが、その理由の一つがCFAの出自であった。
 2002年、ノルウェーは当時のウィクラマシンハ首相とLTTEを直接仲介する形で、CFA署名に持ち込み、クマラトゥンガ大統領、スリランカ国会、野党、ムスリム他の勢力を蚊帳の外に置いた感がある。故に現CFAはノルウェーとウィクラマシンハの反逆とも言われてきた。
 当初のノルウェーとウィクラマシンハ政権の戦略は、最終合意よりも暫定合意の形成を優先させ、後戻り出来ない体制を創り出すことにあった。連続した和平交渉をLTTEが合意した連邦制合意に結びつける、その足がかりとしてのCFAであった。

 ここにきて、CFAはすでに完全に破綻している。
 野党時代にCFAの成立経緯、内容に異議を唱えていたSLFPは無論現在のCFAの内容に不満がある。しかし、LTTEとの新たなCFA交渉には、危険(交渉決裂時に停戦を確保出来ないリスク)が多いという判断であり、今回もCFAの中身をいじくるということにはならないであろう。

 お互いに相手を満足させるカードを持ち合わせないまま交渉が始まろうとしている。

★今回LTTEが和平交渉を受け入れたのは、海外、特に西側諸国に移住し、LTTEの活動を支えているタミル人からのプレッシャーがあったと言われる。資金的に彼らから孤立してはLTTEは存在出来ない。彼等の圧力には限界がある者の、LTTEを変える可能性を持っている。

★JVPらはLTTEが政府との交渉に合意する動きを見せていることについて、外相暗殺に対する国内外の非難を和らげるための工作に過ぎないとして政府の対応を非難している。

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 8月15日、インドネシア政府とスマトラ島西北部アチェ地方で独立闘争を続けてきた武装組織「自由アチェ運動(GAM)」が、ヘルシンキで和平協定に調印した。紛争勃発から30年。不調であった交渉がまとまった背景には、昨年12月のスマトラ島沖地震・津波災害からの復興という現実的なニーズが交渉を後押ししたことは事実だが、両者の和平への希求がベースであった。

 単純にスリランカの状況と比べる訳にはいかないが、大きな違いは反政府ゲリラとしてのLTTE組織に「政治」がないことである。対立や利害の調整で物事を統合する体制がLTTEにはなく、あるのは白か黒、忠誠への呼応か抹殺か、要求の受け入れか対話の拒否か……。

 LTTE代表のプラバカランは、政治が生まれ、軍事行動がコントロールされることを極端に嫌い、ファシズム体制を20年来維持してきた。この間、LTTE内部の反抗者は徹底的に「消されて」来た。
 その意味でも軍事的にはナンバー2と言われていたカルナの反乱とその後の東部でのLTTE中央軍に対する攻撃は物理的にも精神的にもプラバカランにとって許し難い出来事である。

 この時期におけるカディルガマル外相暗殺は、東部問題に対するLTTEリーダーの怒りの爆発とみる向きもある。要人暗殺がLTTEを苦しい立場に追い込むことは組織として十分承知していたはずであるが、自身をコントロール出来ない独裁者の心の動きが優先されてしまった。

 アチェ問題では今回GAM側が独立要求を棚上げし、武装解除に応じる代わりに、自治権拡大に一定の満足を示した。来年4月には選挙で自治政府代表が選ばれることになる。一部報道によると独自の国歌、国旗制定も認められる方向という。
 アチェは州内の地元の天然資源収益の7割を得ることができ、財政的にも安定し、インドネシア政府との共存が図られる見通しだ。
 来月から始まる武装解除や、国軍の撤退がスムースに行くかが注目される。
 先行する内戦の終結ケースとして参考にしたい。

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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 8/15 
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■■報道より■■

■ス国政府は13日、15日午後に行われる暗殺されたカディルガマル外相の国葬終了までを哀悼期間として国民に服喪を呼びかけた。
 国葬にはインドからは防衛大臣と外相が、ノルウェーからはピーターセン外相が列席する予定。

■マヒンダ・ラージャパクシャ首相は13日、暗殺されたカディルガマル外相の外交成果等を称えるとともに、事件はLTTEの犯行だとする見方を明らかにした。

■LTTE政治局長タミルチェルバン氏は13日、外相暗殺事件について、LTTEの犯行だと示唆する政府見解を非難し、LTTEの暗殺事件への関与を否定した。(通常LTTEは犯行声明の類を出さない)

 また、事件の背景には停戦合意をめぐる関係者間の意見の相違や、政治的な内紛があると述べ、最近の殺害事件に対するLTTEへの非難も一蹴した。

■政府は13日、LTTEがカディルガマル外相暗殺への関与を否定した事について、到底受けいられないとして非難し、事件が和平プロセスを後退させる結果になるだろうとする見方を示した。

■米国のライス国務長官は13日、今回の事件を「卑劣なテロ行為」であると非難すると同時に、改めて停戦合意を遵守し、和平への努力を続けなければならないと述べた。

 ノルウェー政府関係者は「陰惨きわまりない行為」であり、スリランカにとっては悲惨な出来事で、和平交渉プロセスは試練にさらされているとする見解を示した。


■ス国警察によると、カディルガマル外相の狙撃には、暗視スコープ付7.6 mm(8.3mmとも)ライフルが使用され、約100メートルの距離から狙撃された。銃と装置の特殊性、狙撃能力から見て訓練された者の犯行とみられる。

 現在警察は、外相自宅近くのタミル人夫婦からの事情徴収を行っている。狙撃はこの夫婦がすむ敷地内の夫妻が滅多に使わない部屋から行われた模様で、銃や三脚の他、飲み物や食事の跡、2名分の指紋も発見されている。

 警察は1000人以上の警察官と、特捜チームを編成して捜査に当たっている他、市内の主要ポイントでは軍による検問も行われている模様で、14日夕方までに10人以上の容疑者を拘束した模様。


-----------------------■■解説■■------------------------

■事件の真相
 クマラトゥンガ現大統領が率いるSLFPが連合党PAとして政権を奪回した1994年以降、カディルガマル氏は外相としてLTTEのテロ組織としての認定を先進国などに持ちかけることに奔走し、LTTEの公然活動を封じた功績がある。これによってシンハラ人からも絶大な信頼を得た同氏を、LTTE側は背信者と見なしていた。

 タミル人でありながらLTTEの分離独立に反対し、政府要人として政策、外交に携わってきたカディルガマル外相がLTTEの暗殺ターゲットとなっていたことは周知の事実であり、警察も公的見解としてLTTEの犯行とほぼ断定している。

 ただし、物証がないまま首相や政府関係者がLTTEを名指しで非難したことは、時期尚早とする見方もある。

■軍事的緊張
 今回の事件の背景には、東部での(LTTE分派)カルナ派とLTTEとの武力対立と、前者を密かに支援しているとされる政府軍に対するLTTEの強い反発がある。

 暗殺事件が本格的な武力衝突、停戦合意破棄につながる恐れは今のところないが、東部でのLTTEと政府軍の軍事的緊張が高まる可能性はある。

 政府軍報道官は、「政府側は停戦合意を遵守する」とする意向を表明しているものの、これまではその場限りであった小競り合いや武力衝突が、今後は一部でやや規模の大きい衝突に発展する可能性は否定出来ない。

 ジャフナ警察署長殺害や、情報機関幹部の殺害にも自制的態度を示してきた政府軍側だが、世論を背景に強気に出る可能性もある。少なくともその誘惑は高まっている。

 いずれにせよ、実質的な拘束力を失った停戦合意を立て直すために、来週以降、各ステークホルダーは新しい動きを模索することになる。

■和平交渉への影響と国際社会への非難
 当面の間、政府、LTTEがなんらかの交渉を行う可能性はなくなった。

 国粋主義的政党等を中心として、和平交渉の中止を求める動きも広がるとみられ、政府は「LTTEとの交渉による和解」路線について今後の展望を示すことが求められる。

 和平を即面支援してきた国際社会や調停役のノルウェーに対する非難も高まり、国際社会の和平への関与を排除しようとする動きが一時的に強まる可能性がある。現時点ではノルウェーもうかつに手が出せない。

 隣国インドは(91年のラジブガンディー元首相暗殺という悪夢を思い出し)、ス国政府のLTTEへの強硬路線を後押しするであろう。

■津波復興支援への影響
 P-TOMSをめぐるLTTEとの合意をめぐって政府側に消極的姿勢が見られることはあっても、事業の推進には直接的な影響はないものと思われる。

■政治状況、大統領選挙
 一方、和平交渉を軌道に乗せた野党側は苦しい立場に追い込まれた。

 今回の事件で、LTTEに対して譲歩を許さない基本的態度を貫いてきたクマラトゥンガ大統領への支持が高まり、野党ウィクラマシンハ氏の求心力低下が起こることは避けられない。

 大統領選挙についても、2006年の実施という「空気」が強まった感がある。現時点での大統領選は野党にとっても不利になり、野党側からも慎重論がでるであろう。本年度の予算審議の時期を控え、与野党の駆け引きに新たな局面が生まれた。

 政府側は当面、事件を最大限利用することに集中するであろう。

■LTTEの路線
 暗殺指令がプラバカランLTTE代表の意志によることは明らかである。
 彼が、冷酷・非情な暴力戦略を秘めていることを改めて確認する必要がある。

 一方、同時に、LTTEとしても本格的武力闘争に戻れない環境がある。ここがこれまでの和平交渉との違いである。

 2002年に始まった今次和平交渉の強みは「9.11」後の反テロリズムのうねりを受けて、スリランカ和平プロセスを、国際社会の表舞台に引き出すというシナリオに仕立てたところにある。
 LTTE側も、過去の停戦期間には見られない「自制」の姿勢を見せてきた。

 しかし、3年半の停戦期間で見えてきたものは、「限りなく臨界点に近い停戦状態」を創り出し、それを最大限利用するというLTTEの戦法である。
 国際社会の関与を利用しながらも、明らかな停戦合意違反を繰り返して微妙にそれらの集団圧力を回避する、という動きを繰り返してきた。テロ集団としての生き残り戦術の一つの形であるが、同時に長期戦略も描けず、ただ、ひたすらこの場を利用して敵対勢力の殺害や新体制構築を行っている。

■■■■カディルガマル外相■■■■ タミルネット記事他より

 1932年ジャフナ生まれ。クリスチャン。セイロン大学卒業後、弁護士となる。オックスフォード大学に進み、英国、セイロンの司法界で活躍。

 74年からILOに勤務、アジア太平洋局長等を歴任。94年〜01年まで、SLFP(PA)政権で外務大臣を務める。タミル人として初めての外相に起用され、シンハラ主流の政治の中で、特異なキャリアを築いてき、また98年にはSAARC(南アジア地域協力連合)議長となった。

 近年は、JVPとの関係も構築し、2004総選挙に当たってはJVPが首相候補に推すという一幕もあったが、党内の力学からカディルガマル外相におさまった経緯がある。

 外交センスには定評があり、最も傑出した外相の一人と評価するインド政治家もいる。

 80年代の国内の出来事を通じて、国際社会はタミル人に同情的になり、次第にス国政府に批判的になっていった。その国際社会の眼を、LTTEのテロ行為に向けさせ、英米にLTTEをテロ組織として認定させるなど、根気強く政府の正当性を訴えてきた外交能力にクマラトゥンガ大統領も絶大な信頼を寄せていた。

 今次和平交渉が国際社会の干渉を受けていることにも懐疑的で、独立国家としてのの威厳と主権を取り戻せ……、と言う態度であった。

 90年代には、民族紛争に干渉した国連組織に対して「マラリア対策に専念するよう」苦言を呈し、赤十字国際委員会が政府軍によるタミル村落の攻撃を認めた際には公然と同委員会に批判を加えたことでも知られる。

 また、身辺警護の莫大な費用や、外交旅行時の多額の支出などが取りざたされることもあった。

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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 8/13 速報
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■■速報■■

 昨夜、スリランカ外務大臣KadirgamarLakshman氏が暗殺された。
 12日現地時間午後11時頃、自宅敷地内で何物かによって狙撃されたもの。

 クマラトゥンガ大統領は国家非常事態宣言を発令し、一部強制捜査等を可能とした。

 今月に入って大臣の自宅周辺でビデオ撮影をしていたLTTEメンバーが逮捕されていることなどから、LTTEによる犯行との見方もある。
 ロンドン在住のバーラシンハムLTTE政治顧問は11日、政府軍によるLTTE分派の武装解除の可能性が否定されたことに言及し、「(政府の態度は)民族紛争を再燃させるものだ」と語った。

 今回の事件は、LTTEによる「重大なシグナル」とも受け取れる。

 KadirgamarLakshman氏はクマラトゥンガ大統領の意向を受け、米国、英国その他にLTTEをテロ組織として認めさせる外交を行ったことでも知られる。享年73歳、ジャフナ出身。

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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 8/4
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■■報道より■■

■クマラトゥンガ大統領は2日、大統領選挙実施日について最高裁への諮問を行った。最高裁は一定期間の審理を経て、大統領に答申する。

 選挙委員会の決定を待たずに最高裁の判断を仰いだ背景には、選挙委員会の決定が大統領側に不利な内容であった場合の混乱を避けると同時に、選挙の本年度実施が求められた場合の選挙活動準備の必要性を認識したものと思われる。

 ク大統領は1994年4月に大統領に初当選、任期満了1年前の1999年12月に大統領選挙を実施して再選された。二期目の任期をめぐって、与野党での議論が繰り広げられるとともに、最大野党のUNPはウィクラマシンハ氏を候補に指名して選挙キャンペーンを既に開始している。

(HT 8/3)

■ノルウェーのハルゲセン外務副大臣は4日スリランカを訪問し、政府、LTTEとの会談に臨む。

 一方、ノルウェーの和平特別代表のエリック・ソルヘイム氏は9月12日に行われるノルウェー総選挙に向けて、この期間ス国和平関連の業務から離れることを発表してる。(タミルネット他 8/3)


--------------------■About スリランカ■--------------------

■チャンドリカ・バンダラナヤカ・クマラトゥンガ=CBK

 1945年生まれ。60歳。父、母ともにスリランカ首相。
 父S.W.R.D. BandaranaikeはSLFPの創立者、母は世界初の女性宰相となったSirimavo Bandaranaike。
 ソルボンヌの学生時代、フランス学生運動に影響され左傾化、帰国後スリランカの農地改革運動にも参加。1978年、映画俳優で左翼主義者のVijaya Kumaratunga と結婚し、政党SLMP(英名People's Party)を創設するが、1988年、夫君がJVPと見られる勢力に暗殺されると子どもらと英国に渡った。
 90年代にSLFP党から政界に登場、一気に勢力を拡大していく。1993年に西部州政府主席大臣に就任後、SLFPを中心とする左翼連合政党PA党を率いて1994年4月の総選挙に臨み、17年間に渡ったUNP政権を倒して首相におさまる。同年11月の大統領選挙に打って出て当選。
 1999年、再選を目指した大統領選挙運動中にLTTEの自爆テロに遭遇、被爆して片眼を失明した。


 首相時代の1994年にLTTEとの和平交渉を開始。交渉は大統領に選出された後も継続され、LTTEリーダーのプラバカランとの間で多くの書簡が取り交わされたが、1995年4月にLTTEがトリンコマレー湾で政府海軍を攻撃し、主要事項の協議に至る前に事実上交渉は決裂した。

 民族問題の政治的解決の必要性を訴える一方、かつてない大規模な軍事行動を遂行した。その結果政府軍は1995年12月にジャフナをLTTEから奪回したが、報復として翌年1月にLTTEによるコロンボの中央銀行爆破事件を招く結果となった。この90年代後半の戦闘では近代兵器の導入もあって多くの戦死者を出した。

 2000年には北部州の暫定自治を認める憲法改正案を提示したが、野党UNPの反対で修正には至らなかった。
 同時期にノルウェー政府に和平の仲介を依頼。当時のノルウェー和平交渉担当のErik Solheim氏に次第に批判的になっていったと伝えられる。
 2001年、ムスリム政党の離脱や主要政治家の野党UNPへの移籍でSLFPが国会での過半数を失い、総選挙を実施したが「戦争か、平和か」をメッセージに掲げたUNPに大敗を喫した。
 2004年4月総選挙ではJVPとの連合党を組み、再び政権を奪取した。

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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 7/29
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■■報道より■■

■与党SLFPの大統領候補指名委員会は27日、次回大統領選挙の党候補者に現首相のラージャパクシャ氏を指名することを決定した。
 党を率いるクマラトゥンガ大統領が設置した同委員会が決定したもの。
 同時に次期首相には、観光大臣で大統領の実弟であるアヌラ・バンダラナヤカ氏を推すと発表した。
(各種報道 7/27)

■ク大統領がLTTEに提示した停戦合意の見直しについて、LTTE側は提案を拒否した。
 ロンドンのLTTE政治顧問バーラシンハム氏は「現行の停戦合意内容自体には何ら問題を感じない。停戦合意をより確実なものとするため必要なのは、政府側の誠実な履行である」として、東部でのエスコート問題でLTTEの政治活動が行われない状態となっている状態について、停戦合意が空洞化だとして政府側を非難した。
(タミルネット 7/27)

----------------------■■解説■■------------------
 野党UNPやメディアの一部は、ラージャパクシャ首相の82万ドル津波復興支援金の横領疑惑について糾弾を強めている。

 この問題の進展によっては、ラージャパクシャ氏を支援するとしているアヌラ大臣、クマラトゥンガ大統領が「大統領候補指名」について新たな動きを見せることも考えられることからラージャパクシャ氏としては慎重な構えで臨んでいるものとみられる。

 また、大統領選挙の実施時期について、ク大統領自身は依然として2006年に行われるべきとしており、一部には大統領が「2006年大統領選挙」「それまではUNPとの連合によりウィクラマシンハ首相」をセットでUNPに提示し、UNP側は幹事長レベルでこれを断ったとも言われている。

 これに対してJVPと再度手を結んで来年度予算を通過させ、大統領選に向けて有利に事を運びたいラージャパクシャ氏であるが、ク大統領はJVPや、ラージャパクシャ氏のこれらの動きに強い警戒感を示している。

 ラージャパクシャ氏はク大統領に挑戦するかのごとく、選挙委員会に大統領選挙実施日を決定するよう迫っており、年末の予算審議に向けて微妙な力関係での攻防が続くとみられる。(HTの記事も参考にした)

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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 7/25
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■■報道より■■

■東部ではLTTEによるとみられる小規模なピンポイント攻撃が続いている。
 先週木曜日には、アンパラ地域で政府軍特別部隊や警察に対する襲撃があり、警官1名、市民1名の死者、複数の負傷者が出た。(Daily News 7/23)


■政府、LTTEの軍事的緊張が高まる中、ノルウェー政府とスリランカ停戦監視団(SLMM)による交渉努力が続けられている。

 ノルウェーのエリック・ソルヘイム和平特使はスイスでの休暇を切り上げて23日急遽ロンドン入りし、LTTE和平交渉担当バーラシンハム氏との面談を行った。
 ノルウェー特使は、LTTE側に緊張緩和に向けた政府との対話を呼びかけるとともに、挑発的な声明の類を控えるよう申し入れた模様。

 先週、LTTEタミルチェルバン政治局長は、ノルウェーが提示した政府との直接対話を拒否。カルナ元LTTE東部リーダーを支持するLTTE分派が、LTTEへの攻撃を継続していることについて政府の関与を強く非難するとともに、停戦合意に基づき、それらの武装グループの非武装化を求めた経緯がある。
(停戦合意では「LTTE以外のタミル人武装組織は政府によって武装解除される」としている)

 ノルウェー側はバーラシンハム氏に対してLTTE中央の説得を要請するとともに、ダナパーラ政府側和平事務局長によるス国政府側の停戦堅持の姿勢のメッセージを伝えた。

 一方コロンボでは、SLMM代表が防衛次官らと面談、東部政府支配地域におけるLTTE兵士へのエスコート問題について、あらたな提案内容を練った模様。
 LTTE側は前回政府側によって示された内容を不服とし、改善案が示されなければ武装状態で政府支配地域を移動するとしていた。
 SLMMはこれをもとに、LTTE側との交渉に臨む予定。(Sunday Times 7/24)


■先週12日には、東京和平会議の共同議長国である米、ノルウェー、日本、EUが特別共同声明を発表。
 停戦状態が危機に瀕しているとして警鐘を鳴らした。
 政府軍、LTTE双方による殺害行為が続いていることに懸念を示し、特に以前から反対派を殺害しているLTTE側には強い警告を発した。
 
 また、政府側には停戦協定に基づき、タミル人軍事グループの非武装化を政府の責任の下に実施するとともに、東部におけるLTTE非武装兵士の安全な移動に関して適切な対応を取るよう求めた。(各種報道より)


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■スリランカの非営利団体Centre for Policy Alternatives (CPA)が4ヶ月毎に行っている市民アンケート(2005年6月末データ)によると、シンハラ人でノルウェー政府による和平推進を望んでいるのは10%、という低い数字となった。

他には、

1.インド政府による和平交渉を望んでいると回答したのはシンハラ人の47.5%。

 スリランカ・タミル人は18.2% 、主に紅茶畑労働者であるインドタミル人は 31.3%。全国平均は41%であった。

 ムスリム人でインド政府による和平交渉を望んでいる割合は過去3ヶ月上昇している。

 一方、66.5%のスリランカ・タミル人がノルウェーが最適と考えている。

2.全体の76.7%が「武力でなく交渉による和平実現が良い」と回答している。

3.スリランカ・タミル人の 82% 、インド・タミル人の 87.4% が「P-TOMS は和平実現へのステップである」と回答したのに対して、シンハラ人は17.3% 、ムスリムは59%に留まった。

4.30.6%のシンハラ人は米国による和平交渉を好み、日本政府が良いとしたのはシンハラ人12.1% 、ムスリム人11% 、スリランカ・タミル6% 、インド・タミル人1.5%であった。

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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 7/19
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■■報道より■■

■クマラトゥンガ大統領は18日、JVPの与党離脱に伴って欠員となっていた閣僚を任命。5名の内閣大臣、1名の閣外大臣、6名の副大臣を任命したが、多くは既存の省との兼任になった。

5名の閣僚は以下のとおり。

Minister of Irrigation, Mahaweli and Rajarata Development
Minister Maithripala Sirisena

Minister of Fisheries, Aquatic Resource and Christian Affairs
Minister Milroy Fernando

Minister of Land and Indigenous Medicine
Minister Tissa Karalliyadda

Minister of Small and Rural Industries
Minister S. B. Nawinna

Minister of Medium & Small Scale Plantation Industries, Rural Human Resource Development and Livestock
Minister C. B. Ratnayake
(各種報道 7/19)

■19日未明、トリンコマレーMutturでLTTEによるとみられる爆破攻撃があり、一般市民を含む10名が負傷した。(各種報道 7/19)


---------------------■解説■----------------------------

■今回のJVPによるP-TOMS執行差し止め請求に対する最高裁の仮裁定は、今後の和平交渉の行方に暗い影を落とした。

 LTTE政治局長タミルチェルバンは、18日、「最高裁の裁定によってジョイントメカニズムは既に死に体となった」として今後の政府との交渉に期待しないとする態度を表明、各ドナーにスリランカ政府を通さない直接支援をするよう呼びかけた。

 P-TOMSが砂上の楼閣に終わることが確実になった。

 P-TOMSという「単なる」行政執行のための委員会組織が、同国の司法によって否定されることがほぼ確実となったことで、LTTEが提案している北東部州全体に係る行政組織 ISGA(暫定自治行政機構)の実現可能性も完全に消滅したことになる。
 JVPはほくそ笑みながら次の行動を練り、LTTEは政府への不信感を増大させ、武力紛争再開をちらつかせて政府の出方を見守っている。

 今回の最高裁判所の仮裁定のポイントは以下のとおり。
1.大統領の権限については、(既にLTTEとの間に停戦合意が交わされているように)LTTEとなんらかの合意形成をなす権限はあるとした。

2.しかしながら、州レベルの委員会の機能について、以下のように申し立て(原告)側の言い分を大幅に認めた形だ。
(1)合意書にあるような機能を委員会に持たせるためには立法手続きが必要と判断される
(2)基金は、会計検査院を含むスリランカ政府の行政システムに組み込まれるべき。世銀やドナーの管理下におかれるシステムは国会の承認等、適切な手続きが必要。
(3)キリノッチに同委員会を置くことは、シンハラ、ムスリムの構成員への利便を著しく損なうため、他の北東部地域とすることが望ましい。

 これを受けて政府は最高裁の意向通りに運用することは十分対応可能としている。
 基金運用については、合意書で「手続きについては今後追って定める」としていることから、手続きの整備をすれば事足りるとしている。すでに財務省次官は、検事総長(司法長官)宛てに、今回の津波復興支援に係る援助資金は、財務省経由で実施担当省への予算配布という従来の流れに従った運用を行うと報告した。

 シンハラメディアは今回の判断を好意的に受け止めているが、かねてから開発資金が政府機関を通ることによって不透明さを増すと主張しているLTTEにはこれらの変更は受け入れがたく、ましてJVPの動きによって妥協を迫られることは屈辱的であるということからも、合意内容が今回の裁定でなし崩し的に骨抜きにされることに反発すると思われる。

 州レベル委員会での援助資金の実質的なコントロールを目論んでいたLTTEにとっては、従来通り、国会で承認された予算を首を長くして待つようなシステムなら「ない方がまし」と言うことになろう。

 同委員会の場所をキリノッチから他に変更する場合、ヴァウニア、トリンコマレー等が候補地になるが、東部の政治局員全員を引き上げる結果になった現在の地域情勢から考慮しても、やはりLTTEにとってキリノッチ以外の場所は受け入れがたい。

 初期にはトリンコマレーが同委員会設置場所として候補に挙がったが、タミル・イーラムの首都として想定されている同地域でLTTEの政治力が拡大するのを懸念した政府側が拒否した経緯がある。
(HT記事を参考にした)

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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 7/16
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■■報道より■■

■スリランカ最高裁がP-TOMSに「待った」をかけた。
 最高裁判所は15日、政府とLTTEが合意した北東部における津波災害復興事業の実施監理組織であるPost-Tsunami Operational Management Structure (P-TOMS)の主要点について、引き続き審理をする必要があるとして、最終判断が出されるまでの執行停止の仮処分を出した。JVPの差し止め請求に基づいたもの。

 ドナーの管理下での基金運営
 州レベル委員会の設置場所(キリノッチ)
 同委員会での承認権限
 及び同委員会での事業実施権限
  が違憲の可能性があるとして審理の対象とされている。

 但し、今回の大統領の指示は権限範囲として認められるとして、大統領の最高権限自体は認めた。

 次回審理は9月12日の予定。(各種報道 7/15)

■一方、政府は14日、P-TOMSの国レベル委員にクナセーカラ憲法相を指名すると発表した。残るムスリム代表、LTTE代表の2名は未定。(各種報道 7/15)


■ロイター電が15日、スリランカ東部で活動する英国Christian Aidからの情報として伝えたところによると、トリンコマレー政府海軍基地及び市内で政府軍とLTTEとの交戦があった模様。
 Kuchaveli 政府海軍基地へのLTTEの攻撃の後、トリンコマレー市内でマシンガンの発砲音が続いたという。(ロイター 7/15)

14日夜には、トリンコマレー Kamburuppidy で政府軍とLTTEの間で銃撃戦があり、LTTE兵士1名が死亡、数人が捉えられる事件があった。


■東部でのLTTE兵士の移動に対する政府軍からのセキュリティ提供問題で、LTTEは15日、政府側の回答内容を不服とする文書をスリランカ停戦監視団に提出した。

 政府側回答では、東部政府支配地域での移動の際に非武装を強いられるLTTE兵士に対しては一定人数の移動において政府軍のセキュリティ提供が可能としていた。
 LTTE側の要求が全面的に受け入れられない場合は、LTTE兵士は武装状態での移動を行わざるを得ないとして、改めて政府からの回答を要求した。(タミルネット他 7/15)


---------------------■解説■----------------------------
 現時点では、トリンコマレーの武力衝突は小規模なものとみられる。
 東部政府支配地域で、武装状態でのLTTE兵士の移動が恣意的に行われると、このような武力衝突が頻発しかねない。
 
 最高裁によるP-TOMS執行の暫定差し止め仮処分は、反対派の動きを勢いづかせ、与党の立場を悪くするばかりでなく、LTTEが武力衝突の不安を煽るなど、停戦協定にも影響が出る可能性がある。

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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 7/15
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■■報道より■■

■クマラトゥンガ大統領は14日、治安悪化が続く東部情勢に関連して、政府軍関係者殺害の実行犯に対する捜査を徹底することを明言すると同時に、国民、関係者に冷静な対応を呼びかけた。

 10日に起きたトリンコマレーでのLTTE幹部殺害事件以後、LTTEによるとみられる政府軍、警察に対する襲撃が相次いでいる。(各種報道 7/14)

■LTTEは13日、政府による治安対策が十分でないとして、東部トリンコマレー、バティカロア政府支配地域にあるLTTE政治局事務所を閉鎖、非戦闘員である事務所員などを撤退させた。

 先月起きたリモートコントロール地雷によるバス襲撃等を契機に、LTTEは政府側に東部政府遅配地域における十分な安全確保を要求。7月14日までという期限付きで政府の回答を求めていた。
 政府側は停戦協定にはそれらの支援の提供義務は明記されていないとしつつも、LTTE側の要求を受け入れ、LTTE兵士の政府支配地域での移動には政府軍兵士が車両に同乗すること等を確約した。これは政府軍と通じているとされるLTTE分派の攻撃を阻止したいLTTE側の考えによるものである。

 しかしながら、10日のLTTE幹部のトリンコマレーでの殺害事件は、「政府地域での政治、開発活動の自由」を保証した停戦合意の実効性を否定するものだとするLTTEの新たな反発を引き出す形となった。
 政府関係者によると、政治局員の政府支配地域からの撤退は停戦合意後、初めての出来事ではないとのこと。(各種報道 7/14)

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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 7/14
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■■報道より■■
■10日、東部トリンコマレーでLTTE幹部2名らが手榴弾で殺害された事件で、LTTEは政府軍の関与があったという見方を示し、停戦合意は危機に瀕している等とする声明を発表、同地域では緊張も高まった。
 政府軍、あるいは政府軍の支援を得たLTTE分派による犯行の可能性もあるが、政府側は関与を全面的に否定した。(7/11)
■殺害されたLTTE幹部らが埋葬された12日、LTTEの指示によって、トリンコ市内の商店、学校の多くがハルタールで閉鎖された模様。(各種報道 7/12)

■LTTEとみられるグループによって、トリンコ県 Mutturのムスリム人津波災害救援キャンプで政府軍兵士と一般市民が攻撃を受け複数が負傷した模様。(各種報道 7/13)

■13日、スリランカのノルウェー大使館は、来週までに、和平交渉において何らかの進展がある可能性があるとした。(Daily News 7/13)

■日本政府は13日、従来の資金提供ルートでの津波復興支援事業の展開を行うとして、P-TOMSへの資金拠出は行わない考えを明確にした。
 米国、インド等も、LTTEをテロ組織と指定する国内法との関連で、P-TOMSを通した資金提供は行わない方針である。(The Island 7/13)


--------------------■解説■--------------------
 先月24日に政府とLTTEが署名した北東部津波復興事業のための合意形成、事業運営組織であるP-TOMS運営の行方には、政治、司法判断、治安等の面でいまだ多くの暗雲がたれ込めており、今後の行方が気になるところである。

・12月の年度末に向け、スリランカの政局は「選挙」の二文字をめぐって攻防が繰り広げられる見込みである。与党は来年度予算が国会で承認されるためには、UNPの協力を得る必要がある。その場合、必然的に大統領選挙の実施が求められる。
 もう一つの選択肢は総選挙しかない。

・既に大統領選挙に向けたキャンペーンを始めたUNPを尻目に、大統領率いるSLFPは現首相ラージャパクシャを大統領候補として擁立する方向であるものの、選挙は2006年の実施だとして一切の選挙準備活動を行っていない。

・また、2000年、2001年、2004年と総選挙を繰り返してきた議員、党員達の選挙資金は枯渇しており、銀行からの借り入れもままならない状況である。積極的に総選挙に打って出るのは多くの議員にとって資金的に歓迎できない事情がある。こういった情勢からは、大統領選挙の実施が現実味を帯びてくる。

・いずれにせよ、1年数ヶ月のうちに大統領選挙が行われることを考えると、P-TOMSの実施段階での諸問題が選挙へ負の影響を与えることを嫌って、運用に明かな障害が見て取れる場合、P-TOMSの本格運用が遅れる可能性もある。

・また、P-TOMS設立にはそれほど関心を示さず、JVPとの連携に最後まで固執したラージャパクシャ首相と大統領の距離感が注目される。JVPの支持なし、という環境では、首相の地位どころか、大統領への足がかりさえ失いかねない。大統領候補指名も、今後現大統領の実弟であるアヌラ・バンダラナヤカに奪われるのではないか、という危機感もある。

・P-TOMSをめぐるムスリムの反発が継続している。津波災害ではもっとも被害を受けたムスリムに実質LTTEより狭い権限しか与えられていないという不満が各種抗議として噴出しつつある。

・ムスリムの最大勢力で野党のSLMCは、P-TOMS機構には関わらない方針を示している。与党に留まっているNational Unity Alliance (NUA) やSLMCの造反議員グループらも、P-TOMSとは一定の距離を置いていることから、P-TOMS委員会メンバーの選出には困難が予想される。

・これらから、P-TOMS体制立ち上げ、運営開始時期は先送りされるのではないかという見方もあり、その場合、政府や国際社会に向けられるLTTEの批判は、P-TOMSが実現されなかった場合よりも強いものになるであろう。

・JVPは、政府とLTTEのP-TOMS合意書に対する複数の(違憲)審査を、ス国最高裁判所に申請している。それによると、大統領は立法権限がないにもかかわらず、国会決議なしに憲法の枠組みを外れたP-TOMSという行政組織設立を指示した点で違憲であり、また、LTTEは法の認める「機能集団」ではなく、故に合意書は無効だとしている。
 最高裁判所は大統領の息がかかった判事が任命されているものの、敏腕弁護士らを雇ったこれらの法的アクションが同合意書の実現に影響を与える可能性もある。

・一方、東部におけるLTTE幹部の殺害事件、LTTEが要求している東部地域移動に係る政府軍の護送提供問題など、治安の状況は悪化する一方である。
 現在、政府、LTTEともに武力紛争回避の努力を継続しているが、同時に双方は武器購入等も着々と行っている。

 一触即発の状態ではないが、2002年2月の停戦合意以降、何度目かの危機を迎えていることは確かである。(HT記事を参考にした)

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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 7/8
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■■報道より■■

■クマラトゥンガ大統領は、6日、内閣再編を近日中に行うとの意向を明らかにした。
 また、大統領選挙については2006年11月に行われるべきとし、本年中には実施しない考えであることを改めて強調し、UNPの動きを牽制した。(7/6)

■ウィクラマシンハUNP党首は、自身が大統領選に当選した場合、現政府が設定した100mの沿岸緩衝地帯制限を早期に廃止する考えであることを明らかにした。また、全ての住居を3ヶ月以内に再建するとも述べた。(7/6)

■大統領は昨年JVPとの連合党を結成した経緯について、SLFPとJVPの一部からの圧力によってなされたものであり、早晩、意見の食い違いが明らかになることは自明であったと述べ、当初からJVPとの共同路線に危機感を持っていたことを明らかにした。(7/6)


--------------------■About スリランカ■--------------------

■ブラック・ジュライ
 1983年7月25日の暴動を指し、過去にはこの日を狙ってLTTEによるテロ攻撃などがあったことから、コロンボ等では市内の警戒態勢が高められたこともあった。

 同日コロンボで発生したタミル人襲撃を中心としたシンハラ側の暴動は各地に飛び火し、数日間で2,000人あまりのタミル人が虐殺され、約15万人が避難民となった。タミル人商店等は徹底的に略奪され、破壊されるなど、多くのタミル人が被害を受け、この国の歴史を変えた日として刻まれることになった。

 当初は、ジャフナでのLTTEによる政府軍兵士殺害を契機に自然発生的に起こった事件と言われたが、後年になってそれが政府与党関係者らによって細部まで計画され、周到に用意されたものであったことが明らかになった。ジャフナでの事件はいい口実として利用された結果になった。

 多くの政府関係者が事件の計画に関与し、事件発生後も政府高官らによって、暴動が正当化され、逆に扇動された。
 襲撃要員には選挙人名簿などが提供され、タミル人は徹底的にマークされた。
 軍、警察、消防はタミル人の援助を行うことを命令によって禁じられたという。

 事件以前にも、シンハラ語政策があり、タミル人への攻撃があった。しかし、スリランカにおけるタミル人はこの日、自分たちがこの国で「ユダヤ人」としての運命を背負っていることを理解することになった。

 1983年7月の事件は民族紛争の引き金に過ぎなかったが、以下のように、この国の現代史の分水嶺となった。

1.タミル人にスリランカ国「イーラム」の理想を与え、北部、東部を自分たちのホームランドとして団結を強める意識を生んだ

2.タミル人青年を中心とする小規模なテロ活動を、本格的な反乱活動へと導いた。
 タミル人の支援を受けて、武力闘争グループは一気に勢いを増し、タミル武力闘争として広がることになった。その後、他勢力を押さえたLTTEは規模、勢力を拡大、小規模なゲリラ部隊から世界でも有数の軍事組織へと成長し、政府軍、インド平和維持軍と互角に戦えるまでになった

3.同時に、穏健派タミル人勢力に対する反発が生まれ、議会活動による政府とタミル勢力との対話路線が断たれた。武力闘争の正当化が行われた結果、穏健派であったTamil United Liberation Front (TULF) 関係者らはインドに逃亡し、武力闘争推進派がタミル人勢力を代表するものとなった

4.民族としての団結を強めたタミル人達であったが、同時に避難によってコミュニティは崩壊。インド、オーストラリア、カナダ欧州、米国等多くの海外移住者(*)を生み、後年、LTTEが国際的な支援活動を展開する場を生んだ(*=Diaspora=ディアスペラとも◆本来バビロン捕囚後にパレスチナから離散したユダヤ人を言う)

5.10万人もの難民を受け入れる結果になったインドをスリランカ民族紛争に本格的に巻き込むことになり、タミル武装勢力への武器・訓練提供、領空侵犯による援助物資提供、インド平和維持軍の派遣、ラジブ・ガンジー元首相暗殺という苦渋の道を歩ませることになる

6.そして、一般市民を含む6万5千人の犠牲者、軍事費の消費、経済活動の停滞という犠牲を現在まで強いられる結果となった

 タミル人は武装闘争を通じて、直接的にあるいは間接的に、シンハラ人へメッセージを伝えたと言われる。曰く、タミル人はたやすく追いやられる民族ではない、そして、自ら投げた暴力のブーメランを受けるがいい……。
 その後、LTTE等による多くのテロ行為が起こっているにも関わらず、83年7月のようなのタミル人攻撃が再発しないのは、シンハラ民族もまたブラックジュライによって大きく傷ついたからに他ならない。

(Asia Timesの記事、他を参考にした)

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■ブラック・タイガーズ・デイ
 7月5日はLTTEのブラック・タイガーズ・デイであった。
 1987年7月5日、LTTE兵士Millerが爆発物を積んだトラックでジャフナNelliady Central Collegeの政府軍キャンプに突入、政府軍側に大打撃を与えた。政府側発表40人、LTTE側発表200名の死者を出した。

 自爆攻撃はその後LTTEの重要な戦術となり、優秀な兵士が選抜されてブラックタイガーとなり、特別任務としての自爆攻撃を遂行することになる。
 ラジブカンジー元インド首相、プレマダーサ大統領暗殺等を含め、250名ほどの殉職者がいる。2001年のカトナヤカ空港爆破事件もブラックタイガーによるものとされている。

 毎年、7月5日は、LTTEリーダーらによって殉職したブラックタイガーの慰霊と賛美のセレモニーが行われる。

 この自爆テロ戦術はその後、多くのテロ組織によって採用されることにもなる。

Prabakaran states: "With perseverance and sacrifice, Tamil Eelam can be achieved in 100 years. But if we conduct Black Tiger operations, we can shorten the suffering of the people and achieve Tamil Eelam in a shorter period of time."

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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 7/4
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■■報道より■■

■ノルウェー政府、世銀、ADB代表らは、2日、キリノッチでLTTE関係者と面談し、先に政府とLTTEが合意したP-TOMSの運用方針、具体的な手続き等について協議した。資金管理方法、委員会の代表選出についても話し合いが持たれた模様。(HT 7/3)

■Kadirgamar外相は、LTTEによる殺害事件が継続していることについてノルウェー政府のLTTEに対する態度を非難した。
 29日、大統領の誕生日を祝福する政府系新聞に寄せた文章の中で、LTTEの排他的行為を改めさせ、民主主義を受け入れさせることが出来ないならば、ノルウェー政府は他の和平推進者に取って代わられるべきだと述べた。(HT 6/30)

■野党UNPは、2日、本年中の大統領選挙の実施と和平プロセスの活性化を要求して、10日間にわたる政治行進を開始した。
 P-TOMSなど、津波災害復興事業においては現政権をサポートするとしていたUNPであるが、無条件、無期限での支持ではないことをアピールすることで、将来的な政権奪回、大統領選挙に向けた同党の方向性を示すねらいがある。


--------------------■About スリランカ■--------------------

■州政府制度■
 スリランカには現在9の州があるが、英国植民地政策によって1834年に全国が5つの州に分割されたのが始まりで、その後、北西部州、北部中央州、ウワ(ウヴァ)州、サバラガムワ州等が分割されて誕生した。

 州政府(Provincial Council)制度は、1987年に民族問題解決を目的として締結されたインド・スリランカ協定に基づき、憲法修正と州政府法成立を経て設立された。このため、目的論、分権論、運営体制における多くの問題を抱えたまま現在に至っている。

 県知事、立法議会、主席大臣を含む5名の州大臣、行政委員会、主席次官から構成される自治体組織であり、中央政府直轄組織である県事務所(District Secretariat=旧称Government Agent Office)とは別の行政ラインが敷かれているが、郡事務所に州政府職員が配置されている等、そのデマケーションは複雑である。州と県との連絡調整は必要に応じて行われている。

MINISTRY OF PROVINCIAL COUNCILS AND LOCAL GOVERNMENTによる行政支援、予算配分が行われているが、(北東部州政府を除き)同省の下に位置するものではない。

州政府制度に関するWebsite
http://www.priu.gov.lk/ProvCouncils/ProvicialCouncils.html


■北東部州政府■
 トリンコマレーにある北東部州政府は、インド・スリランカ協定(1987)に基づき、1988年9月に北部、東部州が暫定的に統合されて設置された。
 その年の11月に州議会選挙が行われたが、同協定に反対するLTTEはボイコットし、LTTE対抗勢力であったEPRLFが圧勝した。(EPRLF=Eelam People's Revolutionary Liberation Front)

 EPRLFのPerumal代表が北東部州政府の主席大臣に就任したが、実際はインドの傀儡政権であり、インド平和維持軍=IPKFの支援のもとに独自の軍隊組織Tamil National Army=TNAを設置してLTTEの排除と州政府の確立に動いた。

 1990年のIPKF撤退に伴い、軍事的な後ろ盾を失ったTNAは崩壊、IPKFから供給された大量の武器とともに広範な地域をLTTEに明け渡すことになり、LTTEは労せずして勢力を一気に拡大する結果となった。
 同時にLTTEの報復を怖れたPerumal主席大臣ら州議会関係者はインドに逃亡、議会は事実上解散され、それ以後現在まで北東部州は中央政府の管理下にある。逃亡時にタミル・イーラム国の独立を宣言するなど物議を醸したPerumal氏は98年に帰国。同氏をめぐってEPRLFは分裂することにもなった。

 インド・スリランカ協定では北東部州統合は5年間の暫定措置とし、東部における住民投票で統合の是非について民意を問うことになっていたが、実施されず現在に至っている。

 現在の北東部州政府は議会が存在しないことから大臣ポストがない。このため政治的な介入が殆ど排除され、却って行政実施がスムースになると言う皮肉な結果になっている。主席次官らによる行政執行能力には定評があるものの、なお予算不足、人員不足といった問題があり組織強化が求められている。

 北東部州8県との連絡調整は密に行われており、県事務所長らが参加する各種の定期会議が行われている。
 北東部における海外援助プロジェクトについては、立案段階での協議、実施段階での定期報告、評価に係る関与依頼をすることが望ましい。必要に応じてLTTEとの連絡調整も期待できる。

 現在、北東部州政府には以下の5つの省が存在し、管理下に20の局が存在する。
1. Ministry of Agriculture, Land, Livestock Development & Irrigation
2. Ministry of Education, Cultural Affairs & Sports
3. Ministry of Health & Indigenous Medicine
4. Ministry of Provincial Public Administration, Local Govt., Rural Development & Industries
5. Ministry of Rehabilitation, Reconstruction, Social Welfare & Buildings


北東部州政府Website
http://www.nepc.lk/

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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 7/1
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■■報道より■■

■クマラトゥンガ大統領は30日、当面は国会解散を避け、津波復興事業に集中すべきだと述べ、現状のままで政局を乗り切る考えを明らかにした。
 また大統領選挙については「15ヶ月以内に行われるべき」だとして、従来通り本年の実施は行わない考えを表明した。

■国家住宅開発公社(NHDA)は津波復興事業の沿岸住宅建設における「総合技術ガイドライン」をまとめたと発表した。過去の自然災害からの教訓を含んだ対策だとしている。

 NHDAGanepola本部長は、援助機関にも受け入れられる基準作り作業であると自賛した。現状では多くの機関が個別に研究を行っており、NHDAと都市開発公社(UDA)は、今後本ガイドラインが統一ガイドラインとなることを希望している。
 ガイドラインは独の資金援助のもとに作成され、自然災害における住宅提供事業において、援助機関、NGO等によって活用されることが期待されている。(6/30)

■クマラトゥンガ大統領は28日、P-TOMSの実施段階において、ムスリムへの配慮がなされることを確約した。   
 野党ムスリム勢力から非難を受けているムスリム政党NUAへの援護射撃を行ったものと見られるが、ムスリムグループの反対運動は今後盛り上がる可能性がある。
 東部では27日、Pottuvil, Akkaraipattu, Addalachenai, Ninthavur, Sammanthurai and Kalmunaiといった地域でP-TOMSに抗議するハルタールが実施された。
 ムスリム勢力は、ノルウェー、国際社会へも非難の矛先を向けつつある。(6/28)

■7月1日、一部の東部ムスリムグループはP-TOMSに対する抗議行動に一般市民を巻き込むことを目的に、7月を反対運動の月とするとする声明を発表。
 東部大学の学生等が中心になって運動を開始する模様。武装を呼びかける内容も含まれている。
 9日、Oluvil町での抗議行進を皮切りに、広範囲にわたる運動を繰り広げるとしている。
 ムスリム政党SLMCも支持を表明している。(7/1)

■30日、政府軍の諜報部員3名が、LTTE東部兵士とみられる二人組によって殺害された。(6/30)

■LTTEは東部でのLTTE兵士の移動が脅かされている現状について不満を表明、2週間以内にスリランカ軍が改善策をとらない場合、(停戦協定に反して)兵士に武装させるとする期限付き警告を出した。

 停戦協定では、LTTE兵士は非武装を条件に政府遅配地域でも自由な移動が認められている。東部ではLTTE支配地域がまだら状に散在していることから、LTTE兵士は一部で非武装での移動が求められる。

 しかしながら、2004年3月にLTTE内で中央とカルナ派との衝突が起こり、その後カルナ派が東部で潜伏活動を継続、LTTE中央兵士との武力闘争事件が起こっている。
 先日も東部で政府軍に先導されたLTTEのバスが地雷に接触する事件があった。LTTE中央が東部における武力活動力の悪化に業を煮やし、反乱勢力に対する自衛手段の確立に動いたものと見られる。(6/30)

■JVPはコロンボ県裁判所にP-TOMSの実施差し止め請求訴訟を起こした。(6/27)

--------------------■■解説■■----------------------

■P-TOMS合意文書に署名した政府、LTTEだが、現状では運営委員会ムスリム代表選出が困難である等、システムの運営に至るまでに尚曲折があるものと思われる。

 今回の津波被害では、全体でも死者の4割、アンパラ県では死者の6割がムスリムであった。和平交渉を通じてもムスリムの不満が高まっていたこともあり、東部地域の市民らが扇動されて抗議行動に継続的に参加すれば、地域行政への影響も避けられない。
 
■P-TOMSは、推進派(大統領、政府、UNP、国際社会)にとっては、単なる行政機構に過ぎないが、ムスリム等反対派にとってはLTTEが今後ISGA(暫定自治行政機構)、そして独立国への道筋をたどる布石になりかねないという不安がある。

 なにより、今後の政府との交渉においても、LTTEが北東部、タミルを代表する勢力として位置づけられるであろうことが彼らの危機感を煽っている。

■援助資金が財務省を通らずに、直接LTTEに配分されるといった誤解も、これらの反対運動を勢いづけている。
 州レベルのRegional Committeeで資金監視が行われるものの、従来の援助の枠組みに沿って資金が提供されることを政府側はさらに繰り返し説明する必要があろう。

■津波復興事業においては、北東部州政府が蚊帳の外になりがちである。北東部8県の紛争被害復興事業を先導してきた州政府の政治的な求心力が落ちることは、LTTEと各県毎の折衝・交渉が行われるなど、LTTE側に行政の重心が傾くことにもなりかねない。今後観察すべき不安材料である。
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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 6/27
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 6月24日(金)、国会における審議紛糾をよそに、政府とLTTEは、北東部州(*)津波復興事業における調整機構「Joint Mechanisum合意書」に調印、JM(以後P-TOMS)は実施に移されることになった。(*津波の直接被害の無かったワウニア、マナーを除く6県が対象)

 P-TOMS署名をめぐるノルウェーの動きは、国内の反対勢力との関係上、大きな遺恨を残した。和平推進において果たしてP-TOMSが吉と出るかどうか、長期的な視点で見る必要もあろう。

■政府側はRRR省次官 Mr. M S Jayasinghe、LTTE側はLTTE計画開発事務局次長 Mr. Shanmugalingam Ranjanが合意書に署名した。
 ノルウェー大使らがキリノッチを訪問して署名に至った。(タミルネット他 6/24)

■同日大統領は声明を発表し、調印されたP-TOMSは人道的救援事業提供を目的とするものであること、関係者への説明を尽くしたにも関わらず、一部で反対があったことは残念だと述べた。(規定上)必要性はなかったにもかかわらず国会に提出したものの、国会は混乱、手続きをこれ以上延長できないと判断し、署名に至ったと説明した。

 JMという(LTTEとの対話)窓口から、何らかの有効性を引き出すことが全ての関係リーダーに求められていると呼びかけるとともに、今後の和平推進に自信を示した。(タミルネット 6/24)

■現地新聞は「野党第一党のUNPは、大統領側から示された連立政党の要請を拒否。閣僚ポストの半数を条件として提示された」と報じたが(Sunday Times  6/26)、大統領側は強く否定した。大統領はUNP幹部と個別に会談したとされた。
 一方UNPは、今後、党関係者の大統領との個別面談を禁止。党首ウィクラマシンハ氏のみが面談に応じることを方針として急遽決定した。

■Post-Tsunami Operational Management Structure (P-TOMS) 概要
 最終バージョンのP-TOMSの概要は以下のとおり。

【国レベル】
・国レベルにおける委員会はコロンボに設置され、LTTE、ムスリム、政府側の3者による構成で委員不在時のための代理要員を置く。
・ドナー支援の公平な配分のための政策決定、運営に関するアドバイス、P-TOMS運営のモニタリングを行う。
・議長は回り持ち。多国間ドナーの代表数名と二国間ドナー代表の1名がオブザーバー参加する。
・調整による合意形成が行われるが、万が一合意形成に至らない場合に、意義ある側は2週間の非協力期間を宣言できる。

【州レベル】
・州レベル委員会は「Regional Committee」と呼ばれ、キリノッチに設置される。(事実上現在のSIRHN事務局=キリノッチ県事務所敷地内での開催か)
・10名の委員からなり、LTTE5名、ムスリム3名、政府職員2名の計10名によって構成される。
・県レベル委員会から提出された事業案の優先順位付け、承認とともに、事業運営監理を行う。
・資金管理を行う機関ともなり、資金管理者は世銀となる。
・議長はLTTE側から、副議長は政府側チームから選出され、委員にはジェンダーバランスが必要とされている。
・マルチとバイのドナー代表1名ずつがオブザーバー参加する。
・合意は意見調整によって行われるが、場合によっては多数決で決定される。2名以上の発議によって、プロジェクト案に関する却下決議が行われ、三分の二以上(7名以上)の同意があれば却下できる。

【県レベル】
 県レベル委員会は現在運営されている県レベルの事業運営委員会がそのまま適用されることになり、構成員等は適宜協議で決定される見込み。合意書ではムスリムと女性の参加を「促して」いる。
 以前公開されたバーションで示された市町村関係者等の明示はなく、実質的に県の運営に任された形だ。

 ムスリム勢力の同機構におけるLTTEと同様の扱いという強い要請は反映されなかったが、県レベルにおける「ムスリムの適切な配置が必要」とされるなど一定の配慮がなされた。東部におけるムスリムの声が県レベルで反映される可能性は大きい。


■■Memorandum of Understanding (MOU) for the establishment of a Post-Tsunami Operational Management Structure (P-TOMS)■■
全文

Preamble

WHEREAS the tsunami that struck Sri Lanka on December 26, 2004 (the "tsunami") destroyed human lives and property on an unprecedented scale;

WHEREAS there is an urgent need for all communities, Sinhala, Tamil, Muslim and others, to cooperate on humanitarian grounds in the face of this common adversity;

WHEREAS the equitable allocation of post-tsunami funds to all parts of Sri Lanka struck by the tsunami will be based on accepted needs assessments;

WHEREAS in recognition of this urgent humanitarian need and in a spirit of partnership, the Government of Sri Lanka (the "GOSL) and the Liberation Tigers of Tamil Eelam (the "LTTE") (the "Parties") have resolved to work together, in good faith and using their best efforts, to deliver expeditious relief, rehabilitation, reconstruction and development to the coastal communities in the six districts of Ampara, Batticaloa, Jaffna, Kilinochchi, Mullaitivu and Trincomalee (the "Six Districts") and to facilitate and expedite the process of rebuilding the affected areas;

WHEREAS there is a need for establishing P-TOMS to facilitate such cooperation among communities, and between the Parties;

NOW, THEREFORE, in consideration of the foregoing the Parties have entered into this MOU and agreed as follows:

1. Structure

a. An integrated operational management structure shall be established for the purpose of planning, implementing and coordinating post tsunami work. Such structure shall consist of:

i. The Post-Tsunami Coastal Reconstruction Committee (the "High-Level Committee");

ii. The Post-Tsunami Coastal Reconstruction Committee for the Six Districts (the "Regional Committee"); and

iii. Post-Tsunami Coastal Reconstruction Committees for each of the Ampara, Batticaloa, Jaffna, Kilinochchi, Mullaitivu, and Trincomalee districts (the "District Committees").

b. The High Level Committee, the Regional Committee and the District Committees shall discharge of their functions in such a manner as to address the concerns of all persons in the Tsunami Disaster Zone (the "TDZ", as defined below) and shall do so without discrimination against any person on grounds such as ethnic origin, sex, language, religion, political or other opinion, social origin, birth or other status.

2. Scope

a. The scope of the High-Level Committee, the Regional Committee, and the District Committees shall be limited to performing the functions defined in Sections 5(b), 6(b), and 8(b), respectively, and having effect exclusively within the TDZ (as defined below), as further specified by Section 6(a) in the case of the Regional Committee and by Section 8(a) in the case of the District Committees.

b. The Tsunami Disaster Zone (the "TDZ") shall be defined as the area affected by the tsunami.

c. The TDZ shall include all that tsunami-affected land area of Sri Lanka which is adjacent to the sea, lying within a limit of 2 kilometres landwards from the mean low water line.

d. The High-Level Committee may decide to bring additional land areas within the TDZ; provided, however, that all such land areas must have been directly impacted by the tsunami or directly affected by the displacement and resettlement of persons as a result of the tsunami.

e. New proposals for measures to be adopted in, or affecting the coastal areas covered by seawater shall be undertaken under the aegis of an international agency. Such proposals might include measures to recover material lost to the sea during the tsunami, the cleaning up of shores and beaches affected, even when covered by seawater, and the repairing and construction of jetties or commercial fisheries harbours affected by the tsunami.

f. The Ceasefire Agreement, dated as of 23 February 2002, between the GOSL and the LTTE, shall continue in full force and effect, and nothing in this MOU shall be construed to prejudice such agreement or alter its terms in any way.

3. Period of Operation

a. This MOU shall enter into force from the date it is executed by both Parties (the "Commencement Date") and continue in operation for a period of one year from the Commencement Date.

b. The Parties shall by consensus have the option to extend this MOU for an additional period or periods.

4. Cost and Expenses

The donors shall be requested to cover all costs and expenses incurred relating to the establishment and functioning of the P-TOMS.

5. High-Level Committee

a. Geographic Scope. The High-Level Committee shall act exclusively in relation to the TDZ.

b. Functions. The High-Level Committee shall perform the following functions:

i. Formulation of policies for the equitable allocation and disbursement of donor funds in the TDZ based on needs assessments submitted to the High-Level Committee, guided by the principle that funds should be allocated in proportion to the number of affected persons and the extent of damage;

ii. Provision of advisory services; and

iii. Monitoring of the functioning of P-TOMS.

c. Composition. The High-Level Committee shall consist of the following members:

i. 1 nominee by GOSL;

ii. 1 nominee by LTTE; and

iii. 1 nominee by Muslim parties.

d. Alternates. Each nominating party shall designate one alternate who will be authorized to attend meetings and act on behalf of the member only in the event he or she is unable to attend due to illness, necessary travel or other exigent circumstances.

e. Chairperson. The High-Level Committee shall select one of the members of the High-Level Committee to serve as the chairperson to conduct and coordinate its meetings. The role of the chair shall rotate among the members with each chairperson serving for two months.

f. Observers. The High-Level Committee shall have one observer representing multilateral donors and one observer representing bilateral donors attend its meetings. The observers shall be nominated by the multilateral donor community and the bilateral donor community, respectively.

g. Decision Making.

i. The High-Level Committee shall strive to make decisions based on consensus. All members shall work together in good faith and use their best efforts to reach a common agreement before the High-Level Committee makes any decisions.

ii. In the event that consensus cannot be reached the members shall immediately enter into an extensive consultation procedure with their nominating parties and the donor community with the aim to reach an agreement and to ensure continued cooperation in the High-Level Committee.

iii. In the event that consensus can still not be reached the nominating parties may after having followed the consultation procedure laid down in Section 5(g. i and ii) and after having given 14 days notice, suspend the cooperation in the High-Level Committee.

h. Location. The High-Level Committee shall be located in Colombo.

i. Procedures. The High-Level Committee shall determine its own procedures for the discharge of its functions.

j. Servicing Secretariat. The High-Level Committee shall establish a small independent secretariat with adequate staff.

6. Regional Committee

a. Geographic Scope. The Regional Committee shall act exclusively within those areas of the TDZ in the Six Districts.

b. Functions. The Regional Committee shall perform the following functions:

i. Development of strategies for implementation and prioritization of post-tsunami emergency relief, rehabilitation, reconstruction and development measures;

ii. Project approval and management with respect to projects for post-tsunami relief, rehabilitation, reconstruction and development;

iii. Overall monitoring of projects; and

iv. Fund management, with respect to the fund specifically defined in Section 7.

c. Composition. The Regional Committee shall consist of the following members:

i. 2 members nominated by GOSL, out of which one will serve as Deputy Chairperson;

ii. 5 members nominated by LTTE, out of which one will serve as Chairperson;

iii. 3 members nominated by the Muslim parties, out of which one will serve as Deputy Chairperson;

iv. The Regional Committee shall have a proper gender balance.

d. Observers. The Regional Committee shall have one observer representing multilateral donors and one observer representing bilateral donors attend its meetings. The observers shall be nominated by the multilateral donor community and the bilateral donor community, respectively. Other observers may be invited to attend the meetings of the Regional Committee.

e. Decision Making.

i. The Regional Committee shall strive to make decisions based on consensus. All members shall work together in good faith and use their best efforts to reach a common agreement before the Regional Committee makes any decisions.

ii. In the event that consensus cannot be reached, decisions shall be made by a simple majority of the Regional Committee. In the event of equality of votes, the Chairperson can exercise a casting vote.

iii. Not withstanding paragraph iv below, in the event that a decision is taken on an issue having an adverse effect on a minority group, acknowledged by at least two members of the Regional Committee, approval will require two thirds majority (seven members) of the Regional Committee.

iv. In the event that a proposal from a District Committee does not get a simple majority in the Regional Committee and at least two members of the Regional Committee request redressing of the decision relating to the proposal, the rejection will require two thirds majority (seven members) of the Regional Committee.

f. Location. The Regional Committee shall be located in Kilinochchi.

g. Procedures. The Regional Committee, in consultation with the High Level Committee shall determine the procedures for the discharge of its functions.

h. Servicing Secretariat. A small Secretariat for the Six Districts shall be set up and may draw staff from the Secretariat for Immediate Humanitarian and Rehabilitation Needs (SIHRN). The Secretariat shall be named as the Regional Secretariat for Post-tsunami Coastal Reconstruction and Development (RSPCRD), and shall provide secretarial and administrative services to the Regional Committee.

i. Project Management Unit. A Project Management Unit (the "PMU") shall be established to manage the projects approved by the Regional Committee.

j. Accounting. The Regional Committee shall appoint a suitably qualified, independent accountant.

7. Regional Fund

a. There shall be a Post-Tsunami Coastal Fund for the Six Districts (the "Regional Fund"), consisting of unspecified (program) and secretariat funds. The unspecified (program) funds shall consist exclusively of foreign funds while the secretariat funds shall consist of both foreign and local funds.

b. The Parties shall appoint a suitable multilateral agency to be the Custodian of the Regional Fund.

c. The purpose of the Regional Fund shall be to expeditiously make available funds, following proper approved procedures, to facilitate and accelerate the relief, rehabilitation, reconstruction and development program in the tsunami-affected areas of the Six Districts.

d. The Parties and the Custodian shall agree on a mechanism for the establishment and operation of the Regional Fund.

8. District Committees

a. Geographic Scope. Each District Committee shall act exclusively in relation to those areas of the TDZ within its district.

b. Functions. Each District Committee shall perform the following functions within its district

i. Identification of needs;

ii. Prioritization of needs;

iii. To generate, receive, appraise and prioritize project proposals from various stakeholders and submit recommendations to the Regional Committee; and

iv. To monitor and report on project progress to the Regional Committee.

c. Composition and Decision Making. The Districts Committees, already established and well-functioning, shall continue their work. The District Committees may further discuss and decide on issues relating to their composition and decision-making. Adequate Muslim representation shall be ensured. The District Committee shall also have a proper gender balance.

d. Location. Each District Committee shall be located within its district.

e. Servicing Secretariat. A small Servicing Secretariat shall provide secretarial and administrative services to the District Committees.

9. Execution

This MOU may be executed in duplicate, both texts being equally authentic.
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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 速報 6/24-2
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■JM案の審議に入ったスリランカ国会は、開会とほぼ同時にJVP議員の妨害行動によって審議が中断され、議長は7月上旬までの国会休会を宣言した。

 審議に当たっては、JM案=「 Memorandum of Understanding (MoU) for the Establishment of a Post-Tsunami Operational Management Structure (P-TOMS) 」が議員に配布された。

■一方、ノルウェー大使(Mr Hans Brattskar)がLTTE政治局長タミルチェルバン氏と面談するためキリノッチに向かったという情報があり、JM案の署名が行われたのではないかという憶測が飛び交っている。

 また政府筋によると、政府側JM案の署名者はRRR省の副次官レベルであるとされている。

 コロンボ市内では、国会周辺を中心に軍などによる警備体制が敷かれた。
(いずれもタミルネット 6/24)
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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 6/24
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 クマラトゥンガ大統領は主要仏教関係者、与党内ムスリム勢力らの説得工作を終了し、本日24日にでもJM案を国会に提出する見通し。
 審議と並行して、政府による合意書署名が行われる可能性もある。(24日付け政府系新聞は国会審議前の合意署名はないとする政府関係者の意見を報道)。
 津波復興事業における政府、LTTEとの運営実施機構としてのJM(Joint Mechanism)設置手続きは、各勢力の思惑を抱えたまま、最終段階を迎えた。

■大統領は、22日、仏教界長老にJM最終案を提示。了解を取り付け、24日にも同案を国会に提出する見込み。
 JM案の合意署名、国会審議と署名のタイミング等をめぐり、政府と野党反対派との議論の応酬が予想される。(タミルネット他 6/23)
 大統領は、与党ムスリム党NUA等、政府内のムスリム関係者と面談。JM運用段階でのムスリムへの配慮を確約、JMへの合意署名への理解を求めた。(Daily News 6/24)

■Joint Mechanism (JM) は以下のようにも呼称される。
 Post-Tsunami Organisation Management Structure (P-TOMS)
 Tsunami Relief Council (TRC)
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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 6/23
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■スリランカ訪問中のノルウェー、ハルゲセン外務副大臣は、21日クマラトゥンガ大統領と会談、津波復興事業におけるLTTE側との協働体制についても話し合いが持たれた模様。大統領は、津波復興支援JM設置について、改めて強い意志を表明した。
 また、ムスリム側から示されているJMにおけるムスリム代表のポストについて理解を示すと共に、LTTEとの会談の議題に盛り込むようハルゲセン氏に要請した模様。
 ハルゲセン氏は政府側和平事務局長のダナパーラ氏とも面談し、和平推進について意見交換を行った。 (AP他 6/21)

■これに先立ってハルゲセン外務副大臣と面談したムスリム政党SLMCのハキーム党首は、JM案におけるムスリムの疎外について強く不満を訴え、JM案の変更を求めた。
 ハルゲセン氏は、JM案は既にLTTE側との最終調整を終えて署名するばかりとなっており、現段階での修正は困難としつつも、大統領に意見を伝えることを確約した。(China View6/21)

■22日、キリノッチでLTTE政治局長と会談したハルゲセン氏は、大統領のJM案への強い意志をLTTE側に伝えたが、LTTE側との最終合意に至らず、さらなる政府側との話し合いが必要とした。ハルゲセン氏は、今後の動きについては楽観していると述べた。

 LTTE側によると、ハルゲセン氏は、JMの署名、実施について、現在の政治状況が安定するまで今暫くの猶予を求める政府側のメッセージを伝えたとされ、会談ではJM実施までの日程などは示されなかった。
(ロイター 6/22)

 LTTE側は、JMにおけるムスリムの意見の取り込みについて、JM運用後に、ムスリム代表を意志決定過程に受け入れることは可能だと述べた。
 また、大統領権限による英断がなされるべきであり、政治的混乱による事態の悪化は、大統領に責任があると述べる等、JMの運用の遅れに苛立ちも示した。(タミルネット 6/22)
 
■22日、JVPが政権を離脱してから初めての国会審議が再開された。政府はJM案を今週中にでも国会に提出する考えと伝えられたが、キリノッチでのハルゲセン外務副大臣とLTTEとの話し合いが最終的な結論を出すに至らなかったことからも、審議の時期は流動的である。。
 UNPはLTTEとの署名交換がなされていない段階での国会決議には、反対票を投じる考えだとも伝えられる。

■一部報道によると、与党SLFPでは、次期大統領候補に現首相のラージャパクシャ氏を指名する党内の調整が進みつつある。現大統領の実弟のアヌラ・バンダラナヤカ氏は首相候補として名前が挙がっているという。
 野党第一党のUNPは、党首ウィクラマシンハ氏を既に大統領候補として指名し、全国行脚を開始している。
 JVPは仏教政党JHUとの共同候補者を擁立する可能性がある。


■■解説■■
 JVPが政権を離脱して1週間が経過した。JVPが期待したような政局の波乱や、一般市民からの大きな反発は見られず、却って大統領がJM案を実施に移す環境が整った。
 JMが、単なる行政機構であり、限定的な力しかないとする大統領側の説明が仏教界、ビジネス界、市民にも理解されたこと、ムスリムの反発はあるものの野党側の支持を取り付けたこと、UNPが政権奪回に向けた動きを見せなかったこと等が理由である。
 現JM案ではLTTEが実質的にタミル代表となっていることから、インド政府の反対も予想されたが、インドのシン首相はJM設置案を容認、これが、大統領の行動を後押しする形となっている。
 また、大統領が独断による行動を避け、仏教界などの理解を前提にJM設置を提示した姿勢が国内関係者に受け入れられた。
 時期を逃さずスリランカを訪問したハルゲセン氏が週後半でどのような結果を出すか注目したい。
 JVPの賭けは裏目に出た結果である。

■ムスリム関係者がJM案へのムスリムポストを強く求めるようになった背景には、JVPの政権離脱後、現在与党に所属する6名のムスリム議員の存在価値が高まっているという経緯がある。
 4名のSLMC造反組と、やはりムスリム政党であるNUA2名のムスリム議員は、少数派となった与党SLFPにとっていまや貴重な存在である。
 野党SLMCハキーム氏の意見表明の影響もあり、与党内のムスリム議員も地元東部等での政治力を保持するためには、現JM案に反対せざるを得ない状況であり、政治的な存在価値を利用してムスリムに対する権力を最大限引き出す機会と捉えている。(The Hindu等参考とした)
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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 6/21
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■ハルゲセンノルウェー外務副大臣は20日、スリランカを訪問した。21日にはクマラトゥンガ大統領と、翌22日にはキリノッチでLTTE幹部との会談に臨む。
 5日間に渡る今回の訪問期間中に、和平プロセスの側面支援を行う予定である。

 政府関係者とは、津波復興JM案についての協議も行うとされている。
 
 先週末、LTTE側は、JMが政治的に利用されることのないよう警告すると共に、JM機構の設置は双方にとって信頼回復のための方策となり得るだろうと語った。(HT 6/20)


■■JVPとは■■
 Janatha Vimukthi Peramuna=People's Liberation Front
 1971年、及び1987空89年に国内で暴動を繰り広げた左翼組織で、1990年台に政党として中央政治の舞台に現れた。
 1999年の総選挙で10議席を確保し、SLFP率いる連合政党PA、UNPに次ぐ第3の政党となって影響力を拡大してきた。2004年の選挙ではSLFPとの連合党を樹立。比例制で優遇されたこともあり39議席を確保するに至り、二大政党制を揺るがす存在になった。

 組織は1966年、南部州マータラ県出身のRohana Wijeweera(1943-1989)によって設立された。
 彼はモスクワで医学を学んだが、休暇で帰国した際にビザが再発行されなかったことから、ソ連共産党に反発、毛沢東主義に傾倒したと言われる。
 その後、スリランカ共産主義グループに属したものの派閥闘争を繰り広げ、1966年にJVPを設立。労働者や組合ではなく、教育を受けたが就職の機会に恵まれない南部の農村青年を対象に、秘密結社的な運動を各地で繰り広げて支持者を増やしていった。

 同氏は1971年、SLFPへの攻撃に始まる暴動を首謀した罪で投獄され、1977年に釈放された。その後JVPは南部の地方政治の舞台に登場、1982年の大統領選挙ではRohana Wijeweera自身が立候補し、4%の得票を得て3位に付けた。

 1983年の民族暴動の後、JVPは非合法化され地下活動を開始した。1987年からは数年間、インド平和維持軍の派遣に抗議して国内広範囲にわたる暴動を扇動、政府職員、軍人、警官、政党員、一般市民等多数の犠牲者を出した。

 その後Rohana Wijeweeraは、プランテーション経営者に扮して潜伏しているところを逮捕され、1989年拘置所で死亡した。

 現大統領の夫君で左翼の映画俳優 Vijaya Kumaratunga氏の暗殺(1988年)はJVPによるものとも言われている。
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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 6/20
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■19日、ロイター通信が伝えたところによると、LTTE政治局長タミルチェルバン氏は先週末、政府のJM案実施の方向性は、和平交渉の膠着状態を打開する可能性がある、と述べた。
 同時に、LTTEが要求している暫定自治行政機構ISGA設置に向けた話し合いを、政府が再開することも要求した。
 JM案については、政府の署名への方向性を歓迎するとし、実際のJM運営状況が満足のいくものであった場合、和平推進に道を開く事になるだろうと述べた。6/19

■その他の報道
・ラージャパクシャ首相周辺は、水曜日にJVP幹部との会談に臨む予定。政権に復帰するようJVP側を説得するものと見られる。JVPも会談申し込みに応じたと言われ、JVP離脱後初めての与党との会談の行方が注目される。会談には与党タミル政党EPDP党首や、複数の大臣級与党メンバーも参加する予定。(6/19)

・クマラトゥンガ大統領は、離脱したJVPに対して、再び政権に戻るように促した。大統領は16日、テレビインタビューの中で、今回の愚かな判断は野党UNPが政権を手中にするような事態にもなりかねないとして、翻意を呼びかけた。(6/17)

・大統領は17日、仏教関係者を対象にJM内容の説明を目的とする会合を開催するなど、同案に対する国内の賛同を得る動きを活発化した。会合には1000人近くの仏教僧等が参加した。
 この中で、大統領は「LTTEが今回のJMに合資する姿勢を見せた際には驚きがあった」と明かす一方、「JMは、町村議会程度の権力さえ持っていない」ことを強調した。
 参加者からは、「他に選択肢はないのか」といった質問もあったとされる。
 一部の仏教グループはハンガーストライキを続けるなど強くJMに反対しているものの、28,000人と言われる仏教界の主流はJM案に概ね賛意を示していると報道されている。(6/17)
 
・ノルウェーのヘルゲセン外務副大臣が、政府、LTTE代表等との会談のためにスリランカを訪問する。訪問は今週月曜日から5日間の予定で、津波災害のあったアンパラ県を訪問、同地でのムスリム関係者との面談も予定されている。(6/17)

・JVP離脱に伴い、大統領が今後数週間以内に内閣改造に着手する可能性がある。JVPに与えられていた大臣ポストの指名に加え、大胆な改造がなされるとも予想される。(6/17)

・大統領は6月14日付けで、ムスリム宗教・文化省を設置した。大統領直轄の組織であった組織を独立省にした動きから、今回のJVP離脱後の内閣改造、ムスリム勢力のポスト創設の意図が感じられる。(6/17)

・野党、ムスリム政党SLMC党首のハキーム氏は、17日、JM案におけるLTTEと同様の権限をムスリムにも与えるべきだと述べ、JM案の見直しを要求した。政府の対応によっては、JM案を指示することを表明した。
 同時に、現在与党に所属している造反した党議員らに向けて、ムスリム社会のためにSLMCが再び一丸となるべきだと呼びかけた。(6/18)

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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 6/17
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■報道から
・クマラトゥンガ大統領は16日、国民に対し、(JVPの離脱は)いくらかの議席を政府が失ったに過ぎないとして、安定した政治運営が可能であることをテレビを通じて強調した。
 この中で、大統領はJVPの今回の動きを強く非難すると同時に、今後何らかの新たな連合関係が成立する可能性があることを仄めかした。

・UNPスポークスマン、ピーリス氏は16日の記者会見で、現時点では与党SLFPの動きを見守る方針を明らかにし、SLFPとの連合や、他党との連合による政権奪回を行う考えのないことを示した。

 同氏は、党として、大統領に対してJM案支持を確約したと述べた。
 また同時に、本年中の大統領選挙実施を要求したとも伝えられる。

 UNPがSLFP与党の存続を容認する姿勢を表明したことで、当面の政権維持が保証されたことになる。

・農業大臣はじめJVPに所属していた大臣4人及び副大臣4人が辞任、南部州政府はじめ全国の州政府でもSLFPと連合党を組んでいたJVPは野党に下る模様。

・大統領は、来週22日にもJM案を国会に提出する見込み。国会承認を得ることで、正当性と透明性を国民に示したい考えだ。
 現時点では大統領支持に回っている野党であるが、国会審議の内容については引き続き調整が必要だろう。


■■解説■■

■政局の動き
 与党SLFPは野党との協調関係を維持し、当面、政権にとどまるであろう。
 ただし、JVPの反乱の影響は拭いがたく、不安定さを増した政局の行方は予測しがたいものがある。

 大統領選への影響を最優先したいUNP、大統領選に向けて足固めをする必要のあるSLFP、SLFP側がひざまづけば再び与党に返り咲く余地を残しているJVP、いずれがタミル側に有利かという観点で観察しているTNA、政権にとどまって次期選挙のために少しでも点数を稼ぎたいCWC、与党側と野党側に二分していることで組織力が低下し動きの取れないSLMC、それぞれの思惑が交錯し、駒の動き一つで局面が大きく変わる可能性がある。

 JM案の検討は最終的な段階に至っていないとする大統領は、今後どのようなステップでJMの適用に向けて動くのか? 
 JM体制スタートの時期は?
 SLFPがいつまで与党としていられるのか? 新たな連合党の可能性は?
 UNPの中期方針は? 本年中の大統領選実施に向けた働きかけと対策は?
 これらについて現時点では、見通しが立たない状態である。

 税制改革等の審議を除けば、年末に行われる予算審議まで、議席が減少した政府にとって国会運営が重荷になることはない。
 今後は大統領選挙の実施時期をめぐって力関係の駆け引きが続くことになる。

■「大統領選挙実施時期 2005 or 2006 ?」
 スリランカ憲法は、大統領に「6年の任期」を与えている。(第30条)
 クマラトゥンガ大統領の第1期就任は94年11月。ほぼ5年後の99年12月に前倒しして行った大統領選で再選された。
 このことから、第1期の任期が2000年11月まで有効であり、第2期の任期はその時点から換算して2006年11月迄というのが、現大統領側の主張。条文には細かな規定がない。
 二選を限度としており、現大統領は次期大統領選挙には出馬資格がない。

■6/16-2で配信した「国会勢力図」について、以下のとおり詳細を付す。(6/17現在)

国会議席数=225議席

United People's Freedom Alliance Government: TOTAL= 81
 Sri Lanka Freedom Party (SLFP) =57
 Ceylon Workers' Congress (CWC) =8
 Sri Lanka Muslim Congress (SLMC) dissidents =4
 National Heritage Party dissidents (JHU) =2
 Lanka Sama Samaja Party =2
 Mahajana Eksath Peramuna (MEP) =2
 Communist Party (CP) =2
 National Unity Alliance (NUA) =2
 Eelam People's Democratic Party (EPDP) =1
 United National Party (UNP) dissident =1

Opposition Parties: TOTAL =144
 United National Party (UNP) =68
 Tamil National Alliance (TNA) =22
 National Heritage Party (JHU) =7
 Sri Lanka Muslim Congress (SLMC) =6
 Up-country People's Front (UCPF) =2

 People's Liberation Front (JVP) =39    
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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 速報 6/16-2 
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■一部報道によると、JVPは予告通り、現地時間の16日午前0時に与党UPFAを離脱、本日16日、特別声明を発表するとしている。

■■解説■■
 現時点では、JVP側は単独政党として野党になるとしている。
 39の議席を持つJVPが下野したことで、現与党は定員225議席のうち81議席のみを保有することになる。
 野党の勢力図は、UNP(UNF)=82、SLMC=5、TNA=22である。

 SLFPからの造反者を引き出すなど、今後もJVPの揺さぶりは続くと見られる。
 また、UNP等、野党側がSLFPとの与党連合を樹立するのか、野党側がどういった条件を提示するのかが注目される。野党側との交渉が失敗した場合には、大統領が時期を見て国会解散に踏み切る可能性もある。
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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 6/16 
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■クマラトゥンガ大統領は15日、LTTEとのJM案推進を明言、JVPがSLFPとの連合を解消しても、方針を撤回する意志のないことを示した。

 14日にコロンボで1万人規模のデモをひり広げたJVPが、連合を離脱する可能性が高くなった。

 ラージャパクシャ首相周辺は15日、JVP関係者との協議に明け暮れ、15日の要求期限を30日に延期するように要請したが、JVP側は拒否した模様。
(AP、タミルネット他 6/16)

■その他
・SLFP党員が主要駅等で、JM案の内容が掲載された資料を一般に配布した。LTTEとの合意内容が、JVPや僧侶などによって歪曲されているため、としている。
・コロンボのフォート駅でハンガーストライキを始めた僧侶は、警察の催涙ガスによる排除後も再び同駅で断食を開始、容態は悪化していると伝えられている。

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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 6/15 
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★JVPが設定したJM白紙撤回の期限が12時間後に迫った。民間テレビでは、画面にカウントダウンの表示がなされるなど国民の注目が集まっている。SLFP側が何らかの妥協をし、JVPは政権に留まるであろうという冷ややかな味方がある一方、JVPが面目をかけて一端連合政権を飛び出す可能性もある。

■JVPのTilvin Silva党書記長は、本日15日に行われたコロンボでの野外集会の場において、本日15日深夜までにクマラトゥンガ大統領がJM案を白紙撤回しない限り、明日16日にはUPFA政府は存在しないだろうとして、大統領への最後通告を改めて確認した。

 この中で同氏は、JVPがSLFPの大臣級メンバーと新たな連合グループを結成する可能性も示唆した。

 SLFP内では、意見が分かれ、党中央委員会はJM内容に合意したものの、党の国会議員、党員の多くは反対意見を表明、大臣クラスについても少数を除いて抵抗しているとされる。
綱渡りをしても、現政権は数ヶ月しか持たず、大統領選挙、総選挙でSLFPが勝つことが不可能だとしている。
 このような危機感を背景に、JVPが反対勢力の統合を試みている。
 
 ラージャパクシャ首相は、JVP首脳と会談し、本日の期限を延長するように説得工作を行っている模様。(タミルネット他 6/15)

■ワシントンで会談を行った日本、EU、ノルウェー、米国は、13日合同声明を発表し、津波復興に関する政府、LTTE両者の合意形成が必要として、クマラトゥンガ大統領のJM推進を援護射撃した形である。同時にLTTEの暗殺行為、少年徴兵に対して警告した。


■クマラトゥンガ大統領は、国民にJM内容を広く周知するためのプログラムを実施することとし、手始めに17日には1000人の僧侶を対象としたコロンボでの集会を企画しているとされる。(HT他 6/15)

■野党UNP関係者は、本年度中の大統領選挙の実施を求める党の姿勢を改めて強調し、きたるべき政治的な混乱に備えて布石を打った。以前からのUNPの主張であるが、大統領が多くの利害関係者の調整に戸惑い、スムースな国政運営が出来ないこの時期に、ウィクラマシンハ氏の指導力を印象づけようとする意図もある。(6/15)

■タミル政党TNAは、一部が明らかになったJM案の内容について、「TNAは合意しない」として、LTTE側の不快感を匂わせた。
 今回明らかになったJM案はLTTEとの交渉における最終的なバージョンではないとする報道もある。(6/15)
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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 6/14 
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主な内容
 ★大統領、ウィクラマシンハ会談
 ★JMシステムの概要  他

■クマラトゥンガ大統領は13日、野党UNP党首ウィクラマシンハ氏との会談を行なった。ウ氏はこれ以上の国内情勢の混乱を避けるために、大統領にJMに関して早期判断を求めた。

 会談の中でウ氏は、UNPは(自身が政権にあった際に合意された)東京宣言、オスロ合意に基き、現状の問題解決に向けて支援すると表明。
 UNPが本年5月、大統領にあてた書簡の中で、津波復興政策は和平構築プロセスの一部とすべきだとした姿勢を繰り返した形だ。
 大統領側は、和平プロセスへの正の影響は認めつつも、JM自体はあくまでも津波復興計画実施のための行政体制であるとして、いかなる政策もUNP政権時代のオスロ合意、東京宣言と結びつけていない。

 ウ氏のサポートが得られれば、JVPが政権にとどまる可能性が大きくなり、大統領側はすぐにでもJMの実施に踏み切ると思われたが、UNP側は従来の主張を繰り返し、曖昧な立場を示すに留まった。

 クマラトゥンガ大統領とウィクラマシンハ前首相との確執はここに来てもおさまらず、妥協を見いだすに至っていない。

■ラージャパクシャ首相周辺がJVPとの合意形成にやっきだとも伝えられる。

 JVPはSLFPにとって政権設立以来のトゲであると同時に、現政権獲得の立役者でもあった。来る大統領選挙や、次期総選挙でSLFPが大統領を擁立できるか、政権を維持できるかはJVPとの協調関係にあると見るSLFP党員は多い。
 できればUPFA政権を維持したいというのが、SLFP、JVPの本音であろう。


■一部報道がJMの仕組みについて記している。
 政府はJMの内容をリークすることで、JVPや仏教関係者らの扇動の内容を否定する考えがあるものと思われるが、却って具体的な反対の根拠を与えることにもなりかねない。

13日のDaily Mirror紙によると、おおよそのJMのシステムは以下のとおり。

【県レベル津波復興委員会の構成】
 当該地域の選出議員が所属する党の代表
 地方政府職員(県事務所長等か?)
 UN機関代表
 NGOs(現地及び国際NGOか?)

※※県レベル委員会は、事業立案、実施運営を行うが、ここにLTTEの代表は直接参加できないことになる。ただし、LTTEの影響を受けているタミル政党TNA、NGOのTRO(Tamils Rehabilitation Organisation)が参加することになる※※

【州、国レベルの委員会】
 プロジェクトの承認、モニタリングを行う。
 10名の委員が選任される州レベルではLTTEから5名が、3名がムスリム、2名が政府職員。シンハラ、他のタミル政党にはない。

 国レベルはLTTE、ムスリム、政府代表の3名の委員からなり、ス国政府、世銀によるガイドラインに沿って案件の最終的な承認を行う。

【州、国レベルの委員会の意志決定】
 コンセンサス形成か多数決。
 州レベルでは、2名以上の発議によって、県委員会から上げられたプロジェクトプロポーザルに関する却下決議が行われ、10人中計7名以上の同意をもって却下できる。

 県委員会のプロポーザルが州レベルで却下された場合、県レベル委員会の三分の二以上の賛成があれば、州レベルに対して不服審判請求が出来る。

 州レベル委員会の運営にはドナー側から2名のオブザーバーが配置され、州レベルの資金管理には世銀が当たる。


■キーとなるのは、計画立案を行う県レベル委員会である。
 選挙区別の国会議員の選出状況は以下のとおりであり、ジャフナ、アンパラにおける異なる勢力の混在が「混乱」を予想させる。
 また、LTTEの意志を代弁するであろうTNA、TROの扱いは容易ではないだろう。

【北部】
ジャフナ(キリノッチ含む) ▲TNA=8、▲EPDP=1
ワンニ(マナー、ムラティブ、ワウニア) ▲UNF(UNP他)=1、▲TNA=5

【東部】
トリンコマレー ▲UPFA=1、▲SLMC=1、▲TNA=2
バティカロア ▲SLMC=1、▲TNA=4
ディガマドゥッラ(アンパラ、ポトゥウィル、カルムナイ等) ▲UPFA=3、▲UNF=1、▲SLMC=2、▲TNA=1


■クマラトゥンガ大統領は12日日曜日のテレビ番組の中で、JM(Tsunami Relief Councilとも)は限定的期間における津波復興計画の実施機構であって、LTTEとの政治的な解決を目的としたものではないと改めて強調した。

 この中で大統領は、JMは国際社会がLTTEを(何らかの政治的代表として)認識するものでもなければ、国家の一元性や仏教の地位を脅かすものでもないと述べた。
 JMの署名は大統領が行うようなレベルでなく、担当省の次官(RRR省次官か?)が署名するだろうと述べ、JMの行政機構としての機能をアピールした。

 JMが適用される地理的範囲も被害のあった海岸線2キロにとどまり、LTTEの影響力を増大させることは不可能だとした。

 また、(過去に破壊活動的集団であった)JVPが国政に参加しているように、LTTEもいま民主主義の土俵に上がりつつあると認識しており、独立国家樹立という方向でなく、政府の提案に乗り気であるこのような機会を逃すべきではないと、国民の理解を求めた。

 仏教徒らの動きについては、5月に行われたPeace Advisory Councilの席で仏教界代表らの合意を得ており、今回も十分な対話を行っていると説明した。
 また、大統領府施設に対する仏教徒の破壊的な言行については厳しく非難した。
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■【スリランカ動向ニュース】 ビコーズ インスチチュート 6/13 
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■動向■
 JVPはクマラトゥンガ大統領がJM案に関しなんらかの次なるアクションをおこした場合、SLFPとの連合政権を解消、与党からの脱退をすると示唆し、JVPが大統領に最後通牒を突きつけた形である。

 12日にタミル政党TNA代表と会談した大統領はJM設置を改めて確認したと言われ、大統領がJVP、仏教界の反対を押し切って行動する可能性もある。

 JVPが政権を離脱した場合には、(1)まず野党UNPとの連合政権の可能性を模索し、(2)場合によっては国会解散をするという動きが見込まれる状況であり、ス国政治情勢は緊迫の度合いを増している。

 13日にはUNPとの会談が予定されている模様。

■インド政府は、クマラトゥンガ大統領のJMの方向性を支持する一方、JMには多くの政治グループが参加し、特にLTTEが唯一のタミル代表として扱われるべきでないとする見解を表明した。(ス国内報道 6/11)

■大統領府は12日、クマラトゥンガ大統領のJM案に62%が反対であるとする簡易アンケートの結果を発表した。賛成は22%にとどまった。 (Asian Tribune 6/12)

■一部報道によると、スリランカ選挙管理委員会は選挙登録簿の確認作業に入った。大統領は閣僚会議の中で、JVPが政権から離脱した場合には総選挙の実施も止むなしと示唆したと伝えられる。(ColomboPage News Desk 6/12)

■JVPはクマラトゥンガ大統領がJM案を推進する場合、中央政府だけでなく、州政府議会におけるUPFA党内でのJVPの協力体制も崩壊するであろう、と警告している。現在(議会のない北東部州を除く)全国7つの州政府議会すべてでクマラトゥンガ大統領率いるSLFPとJVPとのUPFA連合政党が与党となっている。(ス国内報道 6/6)

■その他
・JVPは野党UNPに対して連合党結成をもちかけたとされる。(The Peninsula 6/12)
・仏教僧政党であるJHUは、支持者を巻き込んだハンガーストライキを中止したものの、別のグループによるハンガーストライキがコロンボで発生し、現在も続いている。(一般報道 6/12)
・JVPがSLFPの一部グループと協力し、大統領罷免の動きを起こす考えがあると伝えられるが、信憑性は低く、仮にそのような動きがあったとしても国会での三分の二以上の投票と最高裁による判断が必要とされる罷免の可能性はほとんど無い。

----------------------------■解説■------------------------

■JM(Joint Mechanism )=津波復興支援を政府とLTTEが協力して実施するための合意形成、事業実施体制。実質的に各ドナーからの支援を配分する機構にもなり得ることから、LTTEが一定の援助資金を意のままにコントロールするのではないかという懸念が持たれているが、政府側は1年程度の期間における政府によるコントロール体制であるとしている。「 the Post-Tsunami Operations Management Structure (P-TOMS)」とも言われる。具体的な中身は公表されていない。
 また、JMの中身自体は検討され尽くしているわけでなく、内容をめぐっては、LTTEとの間でも意見対立が起こる可能性もある。

■インドがJM設置に対するス国政府の基本姿勢を支持した機会を捉え、一気にJM推進に向けて動き出したクマラトゥンガ大統領に対し、JVP、仏教政党等が徹底抗戦を繰り広げている。UNPは基本的にJMに反対していないが、事態の成り行きを慎重に見守っている。JVPは背水の陣を敷いたものの、与党内に留まることの利点は大きく、政権を離脱するかどうかは微妙である。

 大統領周辺も彼女の真意を測りかねている感があるが、いずれにせよ今後1、2週間の政局は波乱含みである。

■JMをめぐる反対派の主な意見は以下のとおり
1.JMはLTTEの北部、東部での支配力を強化し、資金的にも透明性が確保できず、LTTEの軍備補強に流用される可能性もある。結果的にLTTEの独立国建設を助長することにもなる。
2.JMは、北東部の津波復興支援対象の内、LTTE支配がそもそも及んでいない地域もカバーすることになり、その地域での新たなLTTEの影響力を生むことになる
3.EPDP等、他のタミル代表、及びムスリムの参加の可否が不明確で、LTTEがタミル代表として扱われることになれば悪しき前例を作ることになる
(HT記事などを参考にした)

■クマラトゥンガ大統領がJMにこだわる(表面的な)理由はおおよそ以下のとおり
1.LTTEのJMへの参加は、スリランカ政府の行政機能にLTTEの動きが組み込まれることを意味しており、ス国政府の主権の下でLTTEが動く事になれば、LTTEとの関係において新たな局面を開くことになる(ただし「政府の主権」の下でLTTEが動くという構図にはLTTE側は真っ向から反対している)
2.LTTEと政府の連携作業があるという点でJMが和平プロセス推進に与える正の影響は大きく、このような場面は今後の和平推進の場でも得難い機会である。2003年の4月以降行き詰まっている和平交渉の再開が促進される可能性が大きい。
(HT記事などを参考にした)

■大統領の動きは、本年度実施予定の大統領選挙への影響を十分考慮していることが考えられる。駒の動かし方の背景には長期的な政権への関わりを目指す意図がないか観察が必要。クマラトゥンガ大統領自身は再選されており、大統領選への立候補資格はなく、大統領制度廃止、首相としての政権参画という志向があるが、現在の政府は大統領制度廃止にもっていくには勢力が十分でない。   
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